パラ選手の「タトゥー禁止」が撤廃のナゼ 開幕直前に突如ルール変更「明らかな説明もなく…」米報道
パリ五輪が閉幕し、続いてパリ・パラリンピックが28日に開幕する。11日間にわたる大会に向けて着々と準備が進む中、アスリートたちにとって大きなルール変更が行われたことを米紙が報道。「明らかな説明もなく突如として方針を変更」と伝えている。
パリ・パラリンピックが28日に開幕
パリ五輪が閉幕し、続いてパリ・パラリンピックが28日に開幕する。11日間にわたる大会に向けて着々と準備が進む中、アスリートたちにとって大きなルール変更が行われたことを米紙が報道。「明らかな説明もなく突如として方針を変更」と伝えている。
今回「パラリンピックが五輪タトゥーに関する禁止を削除へ」というタイトルで記事を掲載したのは米紙「ニューヨーク・タイムズ」。「何年にもわたり、パラリンピアンは危険な試合を行ってきた。競技にあたりタトゥーを完全に隠さなければならなかったからだ。さもなければ、失格を含め国際パラリンピック委員会(IPC)から処罰を科された。しかし、パリで間もなく開幕する2024年の大会に先立ち、明らかな説明もなく突如として方針を変更。そのルールを削除した」と記した。
これまでIPCはタトゥーを入れたパラリンピアンに対して、IPCは反「身体広告」のルールに抵触するとして一切の例外を認めずに出場を認めてこなかった。だが、同紙はIPCのブランド・コミュニケーション最高責任者クレイグ・スペンス氏が23日に突如、「タトゥーのあるアスリートはそれを隠す必要がありません」と語ったことを紹介。方針変更の理由などについての言及はないという。
この話を受けて、トライアスロンなどパラリンピック4大会で計5個のメダルを獲得したルディ・ガルシア=トルソン氏は「私たちの旅やアスリートとしての経験を意味するタトゥーを体に彫ることは、多くの選手にとって重要なことなのです」とコメントした。ガルシア=トルソン氏は自身の背中に五輪マークのタトゥーを入れていたことで知られ、競技中は何らかの形で隠していた選手だ。
記事では、五輪とパラリンピックが1988年ソウル大会から同一年で開催され協同してきたものの、それぞれが運営組織・スタッフなどの点で独立してきたと説明。ロゴも異なるため、IPCが五輪マークは第三者の広告と見なし、それが隠さなければならなくなった経緯にも触れている。五輪マークの露出はパラリンピックのブランディングにも影響を及ぼすことが懸念されているようだが、今回のIPCの判断はアスリートたちにとっても大きな歴史の転換点となりそうだ。
(THE ANSWER編集部)