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女子ゴルフ桑木志帆、2勝目の裏に「感覚」蘇らせる名トレーナーの提案「彼女はセンスの塊です」

中高年ゴルファー向けのスクワットを披露する小楠和寿トレーナー。いすに尻がつく寸前まで腰を落として立を繰り返す【写真:編集部】
中高年ゴルファー向けのスクワットを披露する小楠和寿トレーナー。いすに尻がつく寸前まで腰を落として立を繰り返す【写真:編集部】

高レベルの戦いで必須のトレーニング「若いうちから」

 桑木は20歳でトレーナーを付けたが、小楠氏は「トッププロであれば、トレーナーは欠かせない状況になっています」と話す。

「国内女子ゴルフツアーではここ数年で、帯同トレーナーがグンと増えました。それだけ、レベルが上がったということです。『若いうちは寝れば疲れが取れるから』と素材のままで試合に出ているプロもいますが、筋肉や関節の反応がいい若いうちからトレーニングを始めた方が、基礎筋量を蓄積できます。その貯金は年齢を重ねてからの財産にもなりますし、ケガをしない体作りにもつながります。プロゴルファーは車での長距離移動で腰痛を発症したり、重いキャリーケースを持って手首を痛めたりもしますが、トレーニングで体を鍛えていれば、筋肉や体幹の反応でケガを回避できたりもします」

 今季、国内ツアーでは20代前半のプロだけでなく、25歳、26歳になった「黄金世代」(1998年度生まれ)の活躍が目立つ。小祝さくらが2勝、河本結、大里桃子、新垣比菜が復活優勝、天本ハルカ、臼井麗香が初優勝を飾っている。米ツアーでは渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみが奮闘。アマチュアレベルから切磋琢磨し、意識の高いこの世代は、10代のうちからトレーニングを重ねており、体の強さも目を見張る。小楠氏はその事実を踏まえて言った。

「トップ選手の寿命は確実に伸びています。あと数年もすれば、30代で活躍する選手がさらに増えていると思います」

 今季は海外5大メジャーの全戦で日本人選手がトップ10入りし、全米女子オープンで笹生優花が優勝。エビアン選手権は古江彩佳が制した。世界で戦う面々もトレーナーにサポートされ、トレーニングとケアを繰り返している。アスリートに必要な「心技体」で最も大切とされる「体」のために、女子プロたちは投資と努力を続けていく。

▼悩める中高年ゴルファーへ 小楠氏「毎日、スクワットを」

〇…小楠氏は、桑木の試合に帯同しない週は千葉市内のパーソナルジム・J’s SPORTS BODYで勤務している。中高年ゴルファーも指導し、「下半身に粘りがなくなった」と相談されることがあるという。「なかなか若い時の感覚のままでスイングはできないのですが、毎日のスクワットである程度の対策はできます」。手を胸の前でクロスし、両ひざを曲げてイスに座る寸前まで腰を落とす動きだ。「これを10回で1セットとして3セットやれば、十分です。ただし、毎日続けてください」。トレーニングはプロ、アマ関係なく、「継続は力なり」のようだ。

■小楠和寿(おぐす・かずとし) 1983年12月9日、静岡・浜松市生まれ。東北文化学園大医療福祉学部卒。理学療法士の国家資格を取得し、2007年から千葉・季美の森整形外科に勤務。トレーナーとして埼玉栄高バドミントン部、千葉黎明高野球部などを指導し、17年から国内女子ゴルフツアーで選手に帯同。これまでにアン・ソンジュ、ペ・ヒギョン、全美貞、稲見萌寧、西郷真央らをサポートし、23年5月から桑木志帆と契約。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)


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