「メダルでも2週間で忘れられる」 賞味期限に危機感…五輪レスリング選手が2時間超のファン対応
「本当は協会主体でやってほしい」
少子化の影響もあるが、レスリングの競技人口減少も危機的だ。高体連の登録者数は2003年の2789人から23年の1955人と20年間で3割以上減少。より減少率が大きい競技もあるが、レスリングはもともと登録者数が少ないだけに、競技者減少の影響は大きい。選手たちも、そこに危機感を感じている。
「日本の金メダル(20個)の半数近くがレスリング。これを使わない手はない」と樋口はイベント成功に動いたが、今回は選手主体で日本協会の関与はなし。「本当は協会主体でやってほしい。選手は100%練習に打ち込んでいる。瀬戸際で戦っているので、協会が動いてくれないのは残念に思う」と本音も口にした。
52年ヘルシンキ大会から五輪のメダルを取り続けるなど、競技成績では他競技を圧倒する日本レスリング協会だが、普及や広報に関しては遅れが目立ちがち。今回もレスリングの普及に最高のタイミングだが、広報活動に積極的かと言われれば疑問がある。もちろん、協会幹部も何もしないわけではないのだろうが、アイデアに乏しくできないのが現状だ。
日下は「(日本協会の富山英明)会長に話をしたら、どんどん意見を出してほしいと言われた。選手たちから意見を出して、日本のレスリング界を変えていきたい」と競技の明るい未来を夢見て話していた。(荻島弘一)