お盆明け平日の代々木に5013人集結 日本に新たな熱を生むスポーツ、ハンドボールに訪れた画期的な夜
お盆明けの火曜夜。原宿駅から五輪橋を渡り、階段を上った歩道橋から見渡すその先には、厳しい残暑以上の熱さをまとったハンドボールファンがあふれていた。
パリ・サンジェルマン ハンドボールジャパンツアー2024
お盆明けの火曜夜。原宿駅から五輪橋を渡り、階段を上った歩道橋から見渡すその先には、厳しい残暑以上の熱さをまとったハンドボールファンがあふれていた。
21日、ハンドボール界にとって画期的なビッグマッチが今年は東京・代々木第一体育館で行われた。日本ハンドボールのスター軍団・ジークスター東京とフランスリーグ10連覇の世界的強豪パリ・サンジェルマンの国際親善試合。「パリ・サンジェルマン ハンドボールジャパンツアー2024」と銘打たれ、有明アリーナで行われた昨年に引き続き2連連続の開催となった。
詰めかけた観衆は5013人。平日開催のハンドボールの試合としては異例と言える数だ。試合中はアップテンポな音楽が鳴り、コールと手拍子が響く。そして、両チームの好プレーが飛び出すたび、歓声とため息が交差。日本で観られる最高レベルのハンドボールに会場の誰もが酔いしれた。
会場の大声援に押されるようにしてジークスター東京は躍動した。前半19分までリード。後半は一時6点差をつけられたが、残り2分で2点差に迫る大接戦に。29-31で敗れたが、27-36で完敗だった昨年からすると、善戦と言っていい内容だった。
試合後、佐藤智仁監督は「コートに足を踏み入れた瞬間に鳥肌が立った。ワンプレー、ワンプレーに悲鳴や歓声が上がる。そういう試合はまだ日本リーグでも少ない。良いプレーを選手たちにさせてあげたいと、私自身もモチベーションが上がった。選手も楽しそうだったし、私も楽しかった」と充実感を漂わせた。
実際にコートで熱気を感じた主将の玉川裕康も「意外とコートからはいろんな人の顔が見える。ビールを飲んでいる人いれば、子どもを連れた保護者もいる。すごく楽しみにしてくれていると伝わってきた。これは、下手な試合はできない。もう一度、気を引き締めて行こうと思った」と声援を力に変え、奮闘した。