世界のPSGに脱帽「真似るべきところが多くある」 2点差惜敗も…ジークスター東京が感じた「世界一」の技術
「パリ・サンジェルマン ハンドボールジャパンツアー2024」の第1戦が20日、東京・代々木第一体育館で行われ、日本ハンドボールリーグのジークスター東京がフランスリーグのパリ・サンジェルマン(PSG)に善戦しながら29-31で敗れた。各国の代表選手が集い、10年連続フランス王者に君臨する世界的強豪に、ジークスター東京の主将・玉川裕康は「真似るべきところがたくさんあるチームだった」と世界トップレベルの技術を肌で感じた。
「パリ・サンジェルマン ハンドボールジャパンツアー2024」第1戦
「パリ・サンジェルマン ハンドボールジャパンツアー2024」の第1戦が20日、東京・代々木第一体育館で行われ、日本ハンドボールリーグのジークスター東京がフランスリーグのパリ・サンジェルマン(PSG)に善戦しながら29-31で敗れた。各国の代表選手が集い、10年連続フランス王者に君臨する世界的強豪に、ジークスター東京の主将・玉川裕康は「真似るべきところがたくさんあるチームだった」と世界トップレベルの技術を肌で感じた。
ハンドボール界のスター軍団PSGを相手に激闘を見せた。ジークスター東京は序盤、開始2分でRB中村翼が先制点で勢いづけ、GK家田幹太が好セーブを連発。接戦を演じながら、前半18分まで8-7とリード。平日から詰めかけた5013人の観衆を沸かせた。しかし、世界的強豪のパワーは凄まじく、徐々に劣勢に。必死のディフェンスも巧妙なテクニックとフィジカルの強さに圧倒され、隙を与えた。前半23分に逆転を許し、10-13で折り返した。
後半はPSGペース。23分には22-28とこの日最大の6点差まで広がった。ただ、ピサノ・ライアン海夏人のゴールを口火に3連続得点などで最後の最後まで必死のプレーで猛追。残り3分で2点差まで追い上げたが、29-31で及ばず。金星まであと一歩の敗戦となった。
試合後、佐藤智仁監督が「悔しい」と勝敗に対して感情を露わにした通り、本気で勝ちに行った試合だった。親善試合ながら映像などで研究を徹底。27-36で完敗した昨年の試合から善戦に持ち込めたものの、敗因について「プレーの強度が落ちたこと」と指揮官は指摘した。昨季までは、特に後半に接触プレーでの強さや攻めのスピード感が落ちる課題があり、これまでは個々のテクニックでカバーするスタイルだった。しかし、今季は「強度を高め続けないと勝てない」と方針転換。ただ、世界の超一流を相手に60分間やり抜く難しさがあり、小さくて大きい2点差につながったと分析した。
選手も世界レベルを肌で実感した。キャプテンの玉川は「真似るべきところがたくさんあるチームだった」と回顧。接触されてからのパスの正確さ、判断、位置取りを例に挙げ、「強度が強いのは当たり前で、強い強度で接触された中でボールを生かしながらファウルを取られず、どうやってパスをするか。ポストを睨みながら逆にパスをする目線のフェイクなど、細かいけどそういうところが世界一だし、僕も何回か引っかかってしまった」と脱帽した。
一方で、9月6日に開幕する新リーグ「リーグH」に向けて「今日の試合を良い経験としてリーグ優勝に生かしていきたい」と前を向いた玉川。22日には日本代表がPSGと再び代々木第一体育館で対戦する。世界トップレベルの実力を誇るチーム相手に、就任が発表されたばかりのトニ・ジローナ監督が率いる「彗星JAPAN」はどれだけの力を見せられるのか。日本のハンドボール界にとっても貴重な経験の場になりそうだ。
(THE ANSWER編集部・横田 美咲 / Misa Yokota)