2.9kg超過の陣営が全容説明 2日前に突如痙攣、田中恒成には謝罪「息ができずパニックになった」
ボクシングの世界戦興行が20日、東京・両国国技館で行われる。19日は都内で前日計量が行われ、初防衛戦のWBO世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)王者・田中恒成(畑中)は52.1キロでパスしたが、同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)は55.0キロで大幅超過。再計量を受けずにギブアップし、試合中止に。体重超過による中止は国内開催の世界戦では史上初となり、陣営は経緯を説明した。戦績は28歳の田中が20勝(11KO)1敗、28歳のロドリゲスは25勝(17KO)2敗1分け。
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ボクシングの世界戦興行が20日、東京・両国国技館で行われる。19日は都内で前日計量が行われ、初防衛戦のWBO世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)王者・田中恒成(畑中)は52.1キロでパスしたが、同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)は55.0キロで大幅超過。再計量を受けずにギブアップし、試合中止に。体重超過による中止は国内開催の世界戦では史上初となり、陣営は経緯を説明した。戦績は28歳の田中が20勝(11KO)1敗、28歳のロドリゲスは25勝(17KO)2敗1分け。
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田中は52.1キロで一発パスしたが、全裸になったロドリゲスは55.0キロの大幅超過を犯した。報道陣や関係者から「えーっ」とため息も漏れ、騒然とした空気に。写真撮影中は無表情でポーズもなし。フェイスオフでは田中から2センチの距離に詰め、約15秒睨み合った。田中は最後に笑顔で握手したが、拍手はなかった。
ロドリゲスは再計量に2時間の猶予が与えられ、走り込んで汗を流そうとしたが痙攣に見舞われた。結局、再計量を放棄し、試合中止に。陣営のラファエル・ダミアンプロモーターは「皆さんに大変、恥となる報告になり申し訳ありません。タナカ選手にも申し訳ない。練習をして自己犠牲をしてきたと思う」と謝罪。全容を交え、釈明した。
「水曜(17日)まで完璧なプロセスだった。その時は56キロ。17日に(練習場所の)帝拳ジムで汗を流していた時、急に痙攣を起こした。息もできない状態。その日は練習を中止しないといけなかった。倒れかかったので抱きかかえてホテルに連れて帰りました。部屋で休ませていた時に再び痙攣。彼は『胸に気泡がある感じがする』と言っていた。息ができなくなり、パニックになっていた。
そこでスポーツドリンクを500ミリリットルくらい与えた。それで56キロに。病院に行くと(練習を)止められるので行かなかった。翌日に少し回復したように見えたので、18日の午前中はジムで練習した。縄跳び、ランニング、サンドバッグ、サウナでも汗が一滴も出ない。私の責任で選手の体を守るために辞めさせた」
この日の計量前もサウナやランニングで減量を試みた。同プロモーターはロドリゲスを励ますため、一緒にメニューをこなしたという。1度目の計量失敗後にも再び外を走り、唾を吐くなどしたが、足が痙攣。ダミアン氏は「彼も恥ずかしい想いを持っている。プロモーターの要求に応えようとした」とし、こう続けた。
「カリウム不足かもしれない。本当に恥だと思う。プロモーターとして世界戦を何試合もしてきたが、こんなことは初めて。経験したことのない不幸です。わかってほしいのは超過をしようと思って来たわけではない」
WBOの規定では強行した試合で王者が負けた場合、王座は空位。王者側にはリスクしかない。日本ボクシングコミッションによると、国内開催の世界戦が体重超過で中止になるのは初めてという。田中陣営の畑中清詞会長は「こちらも2階級上の選手とやらせるわけにはいかない」と説明。ロドリゲス側には「ボクシングを辞めた方がいい。もしくは階級を間違えている」と怒り心頭だった。
メインイベントのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)王者・中谷潤人(M.T)は53.2キロ、指名挑戦者の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)は53.3キロ。WBO世界フライ級(50.8キロ以下)王座決定戦では、同級2位・加納陸(大成)が50.7キロ、同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が50.5キロ。120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦に臨むWBA世界バンタム級7位・那須川天心(帝拳)は54.4キロ、同級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)は54.0キロだった。
(THE ANSWER編集部)