那須川天心の相手に壮絶人生 貧困、虐待、ホームレス…「今の父親は血が繋がっていない」
ボクシングの那須川天心(帝拳)と対戦するWBA世界バンタム級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)が12日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。20日に東京・両国国技館で120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦を予定。ボクシング転向4戦目の那須川に立ちはだかるが、ここまで壮絶な人生を歩んできた。戦績は25歳の那須川が3勝(1KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)2敗1分け。
那須川天心の相手ロドリゲスが練習公開
ボクシングの那須川天心(帝拳)と対戦するWBA世界バンタム級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)が12日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。20日に東京・両国国技館で120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦を予定。ボクシング転向4戦目の那須川に立ちはだかるが、ここまで壮絶な人生を歩んできた。戦績は25歳の那須川が3勝(1KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)2敗1分け。
ロドリゲスは拳に覚悟を宿していた。シャドー、ミット打ちをそれぞれ2回披露。軽快な動きを見せ、トレーナーの父・インディオ氏のミットに拳を叩きつけた。親身な指導を受けているが、「本当の父は別人。血が繋がっていない」と明かした。
プエルトリコに生まれ、8歳まで同地で過ごした。しかし、貧しい家庭で生活し、家族とともにニューヨークに移住。「家族の関係性もよくないし、学校でもうまくいかなかった」と不遇の2年間を過ごした。健康悪化を防ぐため、時にホームレスシェルターに通ったことも。アルコール依存症だった「本当の父親」に虐待を受け、ペンシルベニア州まで逃げ込んだという。
「貧しいし、食事も大変。友だちにご飯を分けてもらうこともあった」。移り住んだ土地にあったのがボクシングジム。「ジムの中に入って何もせずに泣いていた」。そこで手助けしてくれたのがアマチュアボクサーだったインディオ氏。ロドリゲスの母、兄と相談し、父から親権を取ってもらったという。インディオ氏とボクシングに励んだ。
「18歳で彼(インディオ氏)の名字をもらった。18歳で成人になるから恩返しとして誕生日に名字を変えたんだ」
アマチュア時代にジュニア五輪に出場し、2017年に州王者になった。18年にプロデビュー。昨年11月には元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級4位だったカリド・ヤファイ(英国)に初回KO勝ちした。世界ランクはWBA4位につけ、死角からの右フックが脅威。那須川にとっては初の世界ランカー対決となる。
インディオ氏は「ジョナサンはとても特別な子だ。謙虚で、幼い時は満足に食べられず、貧しい生活をしてきた。ここまで本当に大きくなったことを誇りに思う」と目を細めた。ロドリゲスは現在フィラデルフィアで練習。映画「ロッキー」に登場する“階段上り”でも体づくりに励んだ。「凄くかっこいいよね。ああなりたいと思っていた」。減量は残り5ポンド(約2.27キロ)という。
「(那須川は)みんなが言う通りスピードがあって強い選手。総合的に強いが、勝つつもりでいる。自分が彼より何か優れているとか公言したくないが、一つ言えるのは僕の方がボクシングの経験があること。彼にも経験があるけど、それはキックボクシング。だけど、良い選手なので油断はしないよ」
現在のバンタム級世界王座は4つとも日本人が保持。ロドリゲスは「ベルトがあるところに行くのは当たり前だ。日本にあるなら日本で試合をしたい」と那須川撃破後の世界王座奪取を見据えた。
○…今興行はトリプル世界戦。WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が指名挑戦者の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と初防衛戦を迎える。WBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)も、同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)と初防衛戦。WBO世界フライ級王座決定戦では、同級2位・加納陸(大成)と同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が対戦する。「Prime Video presents Live Boxing」の第9弾として、Amazon プライム・ビデオで生配信される。
(THE ANSWER編集部)