10月の上海マスターズの対戦で見せたスーパーショットに脚光

　男子テニスの世界ランク3位ロジャー・フェデラー（スイス）はパリ・マスターズ準々決勝で同11位の錦織圭（日清食品）をストレートで破り、直接対決で6連勝と強さを発揮しているが、前回対戦の上海マスターズで演じた超美技をATP公式中継サイト「テニスTV」が10月の月間ベストショットの1つに選出。錦織も思わずラケットを放り投げ、悔しさを表現したスーパーショットの瞬間を動画付きで公開し、実況アナウンサーも「君は見ただろうか？」と興奮気味に伝えている。

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　憎らしいほどの王者の強さを発揮した。上海マスターズ準々決勝で錦織と激突したフェデラー。第2セット、5-5で迎えた錦織のサービスゲームだった。

　激しいストローク戦となったが、まず仕掛けたのは錦織。渾身のダウンザラインをフェデラーのバックサイドに打ち込み、果敢に前進した。ネット際でアングルボレーを落とすが、しかし、形勢不利のフェデラーが魅せた。懸命にダッシュし、右手一本で拾うとサイドライン際いっぱいに落とすパッシングショット。ここしかないというコースに決めてみせたのだ。

　勝負所で飛び出したスーパーショットに会場も瞬く間に熱狂。錦織も真上にラケットを放り投げ、悔しさを露わにした。37歳にして衰えを知らない王者の底力を見せつけた瞬間だった。