罪状認否で形式的に無罪を主張

　米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の口座から金を盗み、不正送金した罪に問われている元通訳・水原一平被告が14日（日本時間15日）、罪状認否のため米ロサンゼルスの連邦地裁に姿を見せた。ノーネクタイのスーツ姿で現れた水原被告は終始表情を変えず、無言を貫いたようだが、米記者はメディアに迫られた中で「最も気まずかった瞬間」を伝えている。

　終始無言を貫き、表情も変えなかった水原被告。日本メディアから「一言お願いします」と問いかけられ、米メディアも質問を投げかけたが、応じることはなかった。そんな中、米紙「ワシントン・ポスト」や米誌「GQ」でも特集される米法務専門記者メーガン・カニフ氏は、自身のXに動画とともにこう記している。

「今日、最も気まずかった瞬間は、ミズハラが裁判所のドアに到着するも、メディアに取り囲まれながら入る順番を待って列に並ばなければいけない時だった」

　建物前に入る前、水原被告には立ち止まって待たなければならない時間があった。後ろには大勢の報道陣が集まり、逃げ場はないほど接近されて囲まれた状況。日米のメディアから質問を投げかけられたが、直立不動のまま応じることはなかった。「これは恐ろしいだろうね」とのコメントも寄せられた。

　司法取引の合意書によれば、水原被告は大谷の銀行口座から約1650万ドル（約25億6300万円）を違法に送金した銀行詐欺罪のほかに、新たに虚偽の納税申告書で410万ドル（約6億4000万円）の所得を申告していなかった罪を認めている。

　水原被告の姿がメディアによって伝えられたのは約1か月ぶり。罪状認否で無罪を主張したが、これはあくまで手続きが進む中での形式的なものであると見られている。