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サッカー中国主将、代表引退を撤回 評論家が同情「中国では許されない」「願い叶わず残念」

サッカーの北中米W杯アジア2次予選が21日に各地で行われ、B組の日本代表は北朝鮮に1-0で勝利した。一方、C組の中国はアウェーでシンガポールと2-2で引き分け。格下相手に痛恨のドローとなった試合後、中国主将は突然の代表引退を表明。「シンガポールに勝つことすらできない。個人的には恥辱」などと語っていたが、後に撤回したという。自分の意思では引退を決められないという中国での背景を指摘する専門家からは「彼の願いがかなわず、大変がっかり」などと同情の声が上がっている。

サッカー中国代表主将のチャン・リンペン【写真:Getty Images】
サッカー中国代表主将のチャン・リンペン【写真:Getty Images】

格下シンガポールにドロー、引退表明も撤回

 サッカーの北中米W杯アジア2次予選が21日に各地で行われ、B組の日本代表は北朝鮮に1-0で勝利した。一方、C組の中国はアウェーでシンガポールと2-2で引き分け。格下相手に痛恨のドローとなった試合後、中国主将は突然の代表引退を表明。「シンガポールに勝つことすらできない。個人的には恥辱」などと語っていたが、後に撤回したという。自分の意思では引退を決められないという中国での背景を指摘する専門家からは「彼の願いがかなわず、大変がっかり」などと同情の声が上がっている。

 アジアカップはグループリーグ3試合で無得点に終わり、敗退した中国。アジア杯でオマーンを率いていたクロアチア人のブランコ・イバンコビッチ氏を招聘し、新体制でシンガポール戦に臨んだが、2点を先取しながら追いつかれてしまった。FIFAランクは中国79位に対し、シンガポールは156位。アウェーとはいえ、痛恨のポイントロストになった。

 中国メディア「新浪体育」は34歳の主将チャン・リンペンが“代表引退”を明かしたことを報じていた。試合後のミックスゾーンで「ずっと考えていたのだが、代表チームでの自分のキャリアを終わらせる時がきたと思う。代表チームは今やシンガポールに勝つことすらできない。個人的には恥辱だ。試合中に問題が生じたときのチームの解決策を私は受け入れられない。ファンには申し訳ない」などと語っていたという。

 しかし、その後チャン・リンペンは引退を撤回したようだ。同国メディア「ジーボーバ」によると、地元メディア「CCTV」の取材に「試合後の発言は間違いなく自分の本心だった。今でも、チームを勝利に導けないのであれば、チームの役に立たないのであれば、代表から身を引くべきだと思っている。ただ、表明する際に、全体を考慮する視点が欠けていたために、チームや他の選手に不必要なプレッシャーを与えてしまった。そのことについてチームに謝りたい」と述べたという。

 膝の状態も思わしくなく、「もっと若い人に機会を与えたい」「若い人には私がやってきたことを引き継ぐだけの力が十分ある」の思いから代表を退く意志を表明したようだが、コーチ陣と話し合い「引退だけが唯一の選択肢ではないと考えるようになった。例え出場できなかったとしても、貢献できるのであれば、また代表が私を必要とするのであれば、最後まで頑張ることにした」という。

 これに中国版SNS「ウェイボー」で340万人のフォロワーを抱えるサッカー評論家で、チャン・リンペンとも交流のある評論家・潘偉力氏は「彼の願いが叶わず、大変がっかりしている。今回は堂々と引退できると思っていた。中国の選手も代表を自分から辞める権利があるということになれば、中国では画期的なことだ。しかし、残念ながら、我々のところでは、50年、いや100年後にもそんなことは実現しないのかもしれない」と指摘した。

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