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北朝鮮の宿舎から消えた家電 19年前の日本滞在は超厳戒態勢、選手も「ないよ」残念がった撤去

サッカーの北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本―北朝鮮戦が21日に東京・国立競技場で行われる。W杯予選で日本が北朝鮮と国内で対戦するのは2011年以来、13年ぶり5回目。過去の対戦ではピッチ内の激闘だけでなく、ピッチ外でもさまざまな出来事があった。2005年2月の対戦時は受け入れる日本側も超厳戒態勢。宿舎の部屋からはある家電が姿を消したという。(THE ANSWER編集部・瀬谷 宏)

2005年北中米ワールドカップで応援する北朝鮮のファン【写真:Getty Images】
2005年北中米ワールドカップで応援する北朝鮮のファン【写真:Getty Images】

2005年2月の対戦前に起こった騒動

 サッカーの北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本―北朝鮮戦が21日に東京・国立競技場で行われる。W杯予選で日本が北朝鮮と国内で対戦するのは2011年以来、13年ぶり5回目。過去の対戦ではピッチ内の激闘だけでなく、ピッチ外でもさまざまな出来事があった。2005年2月の対戦時は受け入れる日本側も超厳戒態勢。宿舎の部屋からはある家電が姿を消したという。(THE ANSWER編集部・瀬谷 宏)

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 これまで日本と北朝鮮がW杯予選で戦ったのは10試合。そのうち、日本国内で行われたのは4試合だが、2005年2月9日の対戦時(ドイツW杯最終予選)は異様な緊張感が漂っていた。当時の日本国内は拉致問題が世間の関心事だったこともあり、1989年6月のイタリアW杯予選以来16年ぶりにW杯予選で来日する北朝鮮代表チームに対して国民の反発も大きく、サッカーの枠を超えた注目を集めていた。

 とはいえ、ホスト国となる日本としてはチームに何かあったら一大事。北朝鮮代表の選手やスタッフが無事に試合を終え、出国できるように入念な警備が敷かれた。特に宿舎の警備体制は徹底しており、内部の様子はまるで分からない。そんな中、当時J1名古屋でプレーし、北朝鮮代表メンバーだった安英学が衝撃の実態を明かした。

「ホテルの部屋にテレビがなかったんです。他の選手は『テレビがないよ』と残念がってました」

 宿舎は2人部屋で、在日Jリーガーとしては安のほかに当時J1広島で活躍していた22歳の李漢宰もメンバー入りしていたが、3泊4日の日本滞在中は日本のテレビ番組を見ることができなかったという。理由は定かではなかったが、当時は日本のニュース番組などで北朝鮮の拉致問題を取り上げることが多く、そうした情報を耳に入れさせないようにするため、という話も現場では出ていた。いずれにしても異例の対応だった。

 そうして迎えた試合はMF小笠原満男の直接FKで日本が前半4分に先制。後半16分に追いつかれる苦しい展開だったが、後半アディショナルタイムに小笠原のクロスのこぼれ球を繋ぎ、最後は途中出場の大黒将志が起死回生の勝ち越しゴールを決め、2-1で勝利した。

(THE ANSWER編集部・瀬谷 宏 / Hiroshi Seya)


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