世界卓球団体戦

　世界卓球団体戦（韓国・釜山）は24日、女子決勝が行われ、日本が5連覇中の絶対女王・中国と対戦し、53年ぶりの世界一まであと1勝に迫りながら逆転で2-3で敗れた。5大会連続の銀メダルとなった。金メダルは中国、銅メダルはフランスと香港が獲得した。日本に追い詰められていた中国選手たちは、試合後に涙を流してインタビューに臨んでいたが、これに母国ファンも「九死に一生を得たって感じ」「みんな懸命だった」などと驚きの声を上げていた。

　日本は第1試合で15歳の張本美和が世界ランク1位・孫穎莎にストレート負けを喫したものの、第2試合で早田ひなが東京五輪金メダリストの世界ランク3位・陳夢を3-1で撃破。さらに平野美宇も王芸迪をストレートで破り、優勝まであと1勝に迫った。ただ、第4試合で早田が孫穎莎とのエース対決をストレートで落とすと、すべてをかけた第5試合は張本が陳夢に第1ゲームを先取。2、3ゲームを落とし、迎えた第4ゲームも接戦となったが、最後は力尽きた。

　一時は追い詰められた中国選手たちも、極限の戦いだったようだ。中国メディア「澎湃新聞」は、試合後に人目をはばからず涙を流し、派手に鼻をかみながらインタビューに応じた孫穎莎、陳夢の言葉を紹介。孫は「今日は私たちも全力を尽くして懸命に戦ったので、その自分に感動しました」と率直な思いを語っており、陳夢も「第2試合に負けて、2-2で第5試合に出場したときには、チームの団体としての力を真に感じました。チームメイトの間の互いの励まし合いですね」と感激した様子だったという。

　これにはネット上の中国ファンも驚いた様子。同じ内容を伝えた同国メディア「ジーボーバ」のコメント欄には「この日本女子チームは今後、相手にしたらなかなか手ごわいと思う」「これから、勝つのが容易ではなくなると思う」「日本との差は、どんどん小さくなっている」「本当に大変な試合だった。孫と陳夢が圧力を押しとどめてくれたのは幸いだった」「2人とも大変なプレッシャーだったと思う。九死に一生を得たって感じ」「みんな懸命だった。かっこよかった」「今日の勝利は本当に得難い勝利だった。見ていて緊張した」「異様に困難な試合だった」などと多数の反響が集まっていた。