「怪我さえなければ…」 全仏V10狙うナダル、“弱気”を捨てさせた恩師の言葉とは
弱気なナダルに厳格な態度を貫いたトニ氏「受け入れろ」、二人三脚で全仏へ
「この怪我さえなければ……」
トニ氏は弱気なナダルに厳格な態度を貫いた。
「私はすぐに言い返したよ。受け入れろ、と。自分自身に難しいと言い聞かせてしまえば、とても困難になってしまうんだ」
故障を乗り越えたナダルは復調した。そして、クレーコートでの戦いを愛するスペイン人にとっては全仏オープンは特別な場所だという。
「我々のようなスペイン人にとっては無意識のうちに、マスターズ1000の大会といえば、常にモンテカルロを連想するんだよ。地中海の向こうを見つめるんだ。我々にとって、モナコでの優勝は信じられないものだ。だから、わかるだろう。スペイン人にとって、ローランギャロスが与えてくれるものは……パリで10度も勝つということは、途方もなく大きなことなんだ。
驚くべきこと? そうだ。10度目の優勝になるんだからね。ラファエルがローランギャロスで優勝したあかつきには、我々はこう語り合うんだ。素晴らしいシーズンだったね、と」
ナダルと二人三脚で戦った全仏オープンは13度目で終焉を迎える。優勝すればシーズン半ばで最高の1年と総括できるという赤土の聖地で、トニ氏はナダルとともに戴冠の瞬間を迎えることができるだろうか。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer