「被災者へ一方的に想いをぶつけるのも失礼」 石川県本拠地の女子バレー・PFU主将の感謝と葛藤
坂本監督「自分たちの職業、ミッションを迎えられて本当にありがたい」
会場では募金活動が行われ、ホーム、アウェーにかかわらず協力するファンがいた。この日同会場の第2試合に臨んだ富山・黒部市に本拠地を置くKUROBEも、余震の中での調整を強いられてきた。寮の食堂で雑魚寝を強いられる期間も。なかなか眠れず、コンディションを整えられなかった。
日頃から避難場所の前を通るというPFUの坂本将康監督は、会見冒頭に試合の感想を問われたが、真っ先に被災地への想いを明かした。
「本当に今日も思いますが、震災から3週間が経って復興がままならず、お亡くなりになられた方もいます。金沢市、県の体育館も1.5次避難という形で人がたくさんいて、ご苦労されている方もいる。その中でバレーボールをやれている。(質問は)試合の感想についてですが、自分たちの職業、自分たちのミッションをこうやって迎えられることが本当にありがたいと思います」
試合後のコートインタビューでは、勝ったNECの金子隆行監督が「PFUさんは年明けから凄く苦しい時間があったと思う。我々もこの日本を元気づけられるように、バレーボールを通じてたくさんの方に感動を与えられるような姿勢をとっていきたい」と投げかけ。会場から大きな拍手が注がれた。
PFUは今季5勝13敗でレギュラーラウンド9位。高相は「若手とベテランの融合を残り4試合で見せていきたい」と前を向いた。次戦は2月3日に黒部市総合体育センターでJTと対戦する。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)