大谷翔平1014億円契約、正当化に「複数回の世界一」が必要か? 米記者激論「彼の責任じゃない」
米大リーグのドジャースは、今オフのフリーエージェント(FA)市場で最大の注目を集めていた大谷翔平投手を10年総額7億ドル(約1014億円)という巨額を投じて獲得した。2020年以来の世界一を目指し、なりふり構わぬ補強に出る中、米メディアでは「この契約をどう正当化するか」が話題となっている。
素晴らしい成績を残しながら世界一に縁がなかった選手も
米大リーグのドジャースは、今オフのフリーエージェント(FA)市場で最大の注目を集めていた大谷翔平投手を10年総額7億ドル(約1014億円)という巨額を投じて獲得した。2020年以来の世界一を目指し、なりふり構わぬ補強に出る中、米メディアでは「この契約をどう正当化するか」が話題となっている。
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米メディア「ジョムボーイ・メディア」のポッドキャスト番組「クリス・ローズ・ローテーション」で議論が交わされた。米野球殿堂の投票権を持つ3人の記者と対した司会のクリス・ローズ氏が問いかけたのは「ショウヘイは契約の大きさを正当化するために複数回(ワールドシリーズ優勝)リングを獲得する必要があると思いますか?」についてだ。
米カリフォルニア州地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」のスーザン・スラッサー記者は「いいえ、それは彼の責任ではありません」と即答する。「リングはオオタニ1人に課せられるものではありません。ドジャースは投資を正当化するために複数回リングを獲得する必要がありますが『オオタニが』ではありません」と続け、大谷が年俸の大半を後払いにするなど「チームのためにできるだけのことをしています」とした。
また、個人成績では文句なしながら、世界一になれなかった過去の名選手と比べる声も上がった。ローズ氏の「大谷が10年間リングなしだったら、人々は失敗契約だと見るかもしれません。たとえ彼が複数回MVPを獲って、ハイレベルな投球を例えば5年間し続けたとしても…」という問いかけに、ミネソタ州地元紙「スター・トリビューン」のラベル・ニール記者はこう答えている。
「(通算512本塁打、殿堂入り選手の)アーニー・バンクスはいくつリングを持っているでしょうか?」。2016年の世界一が108年ぶりだったカブスでプレーしたバンクスは、一度も世界一になったことがない。「それでも彼は素晴らしい選手です。大事なのは彼の周りにどんなチームを作るかです。大谷は投打両方で支配的な、この時代において希少な選手ですが1人では優勝できません」と、優勝はチーム全体で勝ち取るものだとする。
また、2001年に当時の最高額となる10年総額2億5200万ドルでレンジャーズと契約するなど、2度の10年契約を結んだアレックス・ロドリゲス内野手とも比較されている。
ニューヨークの地元紙で活動していたケビン・デビッドオフ氏は、ロドリゲスはポストシーズンでの不成績で、今も悪いイメージをファンに持たれていると指摘。大谷についても「まだ10月(ポストシーズン)にプレーしたことがありません。もし彼が10月にダメだったら、暗い影を落とすかもしれません」と、ポストシーズンへの進出可否とそこでのプレーがキャリアのイメージを決定づける可能性を指摘した。
(THE ANSWER編集部)