「清宮や万波、野村にも目を向けてほしい」 稲葉篤紀が願う次世代への継承…日本ハムが取り組むSC活動とは
「近くに行くことが一番」日本ハムの若手にも伝えたい姿勢
稲葉氏は現役時代にも「Aiプロジェクト」という名で社会貢献活動を行い、全道の小学校にリレー用のバトンを贈るなどしてきた。北から南まで道内をくまなく回り、直接届けることを大切にしてきた。その狙いとは――。
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「選手はオフにしかこういう活動をできないけれど、やっぱり近くに行く、近くで接するのが一番だと思うんだよ。プロ野球の影響力はまだまだすごくある。ひとを元気にすることで、自分の存在意義やチームの存在意義をより感じられるようになるんじゃないのかな」と自らの経験を口にし、こう続けた。「清宮や万波、野村にも、こういう活動に目を向けてほしいな」。戦力として一線級になるとと同時に、社会的な存在としての成長にも期待している。
2018年から、SC活動の実務を行ってきた球団職員の笹村寛之さんも「シーズン中はマスコットのB・Bが子どもたちと触れ合うことも多いんですが、これにも意味があるんです。お金を贈っておしまいと言うのではなく、僕たちもその後どうなったかを見られる。活動がより広がっていくんです」と、球団が足を踏み出して、地域に近づいていくことの意味を強調する。
一方で、笹村さんは肝に銘じていることもあるという。「自分たちに社会問題を解決することはできません。勘違いしちゃいけない。きっかけを与えるとか、そのくらいなんです。でもイベントのたびに支援した方に感謝していただけると、ほんの少しだけお役に立てたのかなと思うことはありますね」。これもまた、長く活動を続けていける秘訣だろう。
稲葉氏は来季から、10年ぶりにファイターズのユニホームに袖を通す。これまでのような活動には一区切り……と思いきや「ファーム監督兼SCOも、あるかもしれないな」。北海道に愛され、盛り上げていける存在へ――。選手育成の現場からも、やれることがあるはずだ。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)