ボビー・バレンタイン氏が説明

　米大リーグではオリックスからポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦を目指している山本由伸投手の去就に注目が集まっている。日米野球を熟知する元MLB監督は米メディアに「一見しただけでは眉をひそめると思うよ」と体格の小ささを指摘しつつも、「獲得した球団はハッピーだろう」と実力に太鼓判を押している。

　米ニューヨーク州地元紙「ニューヨーク・ポスト」のスポーツ専門YouTubeチャンネルに登場したのはボビー・バレンタイン氏だった。MLBメッツなどで長らく監督を務め、日本のロッテでも指揮を執った経験を持つ名将は、山本について「彼は縦方向で変化をつけられる。素晴らしいスプリットとカーブを持っているし、浮き上がるような直球も投げられる」と分析した。

　しかし、バレンタイン氏は「一見しただけでは眉をひそめると思うよ。体が小さいからね。彼（山本）は私と背丈は同程度だ」と指摘。身長178センチ、体重80キロの山本は、MLBの投手としては小柄な部類に入る。それでも「だから、みんなが思っているような男じゃないかもしれない。実際の投球を見るまではね」とピッチングは一級品だと称賛した。

　今季のMLBではメッツの千賀滉大投手がルーキーながら12勝を挙げた。ニューヨーク地元紙ということもあり、山本との比較について話題が及ぶと、バレンタイン氏は、元教え子のロッテ・吉井理人監督や日本ハム・新庄剛志監督らと話したことを明かし、「みんなに話を聞いたけど、全員が彼（山本）はセンガより少しレベルが上だと思うと話していた」と告白。このように理由を説明した。

「多分、キレのある持ち球がもう一つあったり、制球力が少し上だったりするんだろうね。センガの今季を考えれば、かなりいい投手だよ。センガは優勝を目指すチームでやるべきことを一年通じてやっていたんだから」

　山本にとっては初の海外移籍であり、新天地では食事や言語も変化する。バレンタイン氏は環境への適応の必要性を認めたが、「彼のことはよく知らないけど、準備は出来ているだろうし、彼が長年心待ちにしていた機会だ。若く決意に満ちていて、獲得した球団はハッピーだろう」と心配していない様子だった。