2年連続指名漏れした男の下剋上 同僚引退も諦めず、23歳でロマンあふれる「久留米のギータ」
「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が26日に都内で行われ、122人(支配下72人、育成50人)が指名を受けた。なかには過去に指名漏れを経験しながら夢のプロ入り切符を掴んだ選手もいる。DeNAから6位指名された四国アイランドリーグplus・徳島の23歳・井上絢登外野手は大学4年生と独立1年目と2年連続で無念を味わったが、3度目の正直で念願成就した。持ち前のフルスイングでNPBの舞台で大暴れを目指す。
DeNAから6位指名された徳島・井上絢登
「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が26日に都内で行われ、122人(支配下72人、育成50人)が指名を受けた。なかには過去に指名漏れを経験しながら夢のプロ入り切符を掴んだ選手もいる。DeNAから6位指名された四国アイランドリーグplus・徳島の23歳・井上絢登外野手は大学4年生と独立1年目と2年連続で無念を味わったが、3度目の正直で念願成就した。持ち前のフルスイングでNPBの舞台で大暴れを目指す。
キャリアの転機は、久留米商高(福岡)3年の春。それまでミート重視のアベレージヒッターだったが、プレースタイルを一変させた。「このままじゃ、上で通用しない」。井上が見ていたのは、高校よりもっと先。プロを目指しているから、変化を求めた。重い球をひたすら打ち、スイング力を強化。高校通算20発を放った。最後の夏は、フルスイングで魅了するソフトバンク・柳田悠岐になぞらえて「久留米のギータ」とメディアに付けられた。
九州六大学の福岡大進学後は、2年春の全日本大学野球選手権で本塁打を放つなど実績を残したが、学年が上がるとともに責任感が増し、次のステージが近づくと不振を味わった。3年生になると三振を怖がるあまり、スイングが小さくなった。本来の持ち味も見失い、「自分のスイングが分からなくなった」という。それでも、ベストナイン2度、打点王1度を獲得し、4年生だった昨秋にプロ志望届を提出したが、声はかからず。無念の指名漏れを味わった。
苦難は続く。プロ入りの最短ルートを考え、毎年、NPB選手を輩出している独立リーグの徳島に入団。本塁打、打点といきなり2冠王に輝いたが、茶野篤政らが指名されるのをよそに、ドラフトはまたも指名漏れ。NPB挑戦に区切りをつけ、引退する同僚もいる中、井上は諦めず現役続行した。今年も打撃2冠王に輝き、「独立リーグ最強バッター」と言われるまでになり、ついにDeNA6位と支配下で夢のNPB切符を掴んだ。
かつて、フルスイングの魅力について「打席の中で、やっぱり一番楽しいんです。(良い)雰囲気が自分の中で出てくると一番楽しめているし、それが自分にとっても一番良いこと」と語っていた井上。今回の指名を受け、「たくさんの方々に支えられてやっとプロ野球選手というスタートラインに立てました。感謝の気持ちを胸に横浜の地で躍動します!」と球団を通じてコメントした。ハマスタで躍動する姿が今から楽しみだ。
(THE ANSWER編集部)