TikTokでの発言をドイツ紙が紹介

　東京五輪に出場し、今年8月のブダペスト世界陸上では混合マイルリレーで7位入賞に貢献したドイツの女子陸上選手アリカ・シュミット。モデル活動も行い、インスタグラムのフォロワー数470万人という人気選手だが、このたび、TikTokで自身の陸上選手としての“懐事情”を明かして話題になっている。ドイツ大衆紙が報じたもので「競技で食べていくのは簡単ではない」「生活できるほどもらっていない」などと語っているという。

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「世界一セクシーなアスリート」の異名を取るシュミット。9月に行われたミラノ・ファッションウィークにゲスト出演するなど、活動の幅は陸上競技の域を超えている。インスタグラムのフォロワー数はついに470万人を突破。ドイツ大衆紙「ビルト」は今回、「TikTokで赤裸々に明かす　アスリートとしてのアリカ・シュミットはこれだけ稼いでいる！」との見出しで、シュミットが自身のTikTokで明かした話に注目し、記事を掲載している。

　本文では「アリカ・シュミットはドイツの陸上では最も有名な女子選手だ。しかしながら、彼女は競技ではほとんど稼いでいない。Tik Tokの動画で明かしている」としてシュミットのコメントを紹介。「ドイツの陸上選手にとって、競技で食べていくのは簡単ではないと言わざるを得ない」「代表チームに入ったら、ドイツ・スポーツ援助財団から700ユーロ（約11万円）もらえる」など、決して恵まれた金銭的待遇を受けているわけではないことを明かした。

　ドイツの陸上選手は地域のクラブなどに所属すればいくらかの金銭保障があるとされるが、シュミットは「それだけで生活できるほどもらえることはほとんどない」と発言。記事では「もちろん賞金で稼ぐこともできるが、それはレアケースであって足が出ることが多い」と説明されており、シュミットも「なぜなら、交通費と旅費がかかり、それらは常に払ってもらえるわけではないから」と語っている。

　収入を得る方法として、同紙では「ドイツの軍隊や警察に入る道もあり、シュミットによると軍では月2500ユーロ（約40万円）程度稼げる」ものの「何か別の方法を探すアスリートも多い」という。そこでシュミットは「もう一つの基盤を作るため、ほとんどの選手は競技と並行して大学に通ったりちょっとした仕事をしている」ということで、自身はSNSという「基盤」を作ったようだ。

　SNSの人気が絶大なうえ、モデル活動も順調。同紙は「働かなくてもやっていけるシュミットは恵まれた環境にある」とした上で、シュミットの「ソーシャルメディアでお金を稼げ、他の仕事をしなくてすむことに感謝している」というコメントも紹介した。なお同紙によるとシュミットは「どれくらいの収入があるかについては明かさなかった」という。大学の通信教育でメディア・コミュニケーション・マネジメントも学んでいることにも触れ「競技を引退した後も次のキャリアを築けるだろう」と記している。