サッカー決勝で日本に勝てば「極めて重要な権利付与」 韓国の至宝がアジア大会を本気で戦う理由
中国・杭州で行われているアジア大会は7日、サッカー日本代表(U-22)が韓国代表(U-24)との決勝戦を迎える。米経済誌「フォーブス」は「韓国の若きサッカースターがキャリア最大の試合に臨む」と題する特集記事を掲載。日韓戦の勝敗が、メダルの色だけではなく選手のキャリアを一変させる可能性を持った重要な一戦であると強調している。
杭州アジア大会
中国・杭州で行われているアジア大会は7日、サッカー日本代表(U-22)が韓国代表(U-24)との決勝戦を迎える。米経済誌「フォーブス」は「韓国の若きサッカースターがキャリア最大の試合に臨む」と題する特集記事を掲載。日韓戦の勝敗が、メダルの色だけではなく選手のキャリアを一変させる可能性を持った重要な一戦であると強調している。
13年ぶりの金メダルまであと1勝に迫った日本の前に、大会2連覇中の韓国が立ちはだかる。フランス1部リーグ・アンのパリ・サンジェルマン(PSG)に所属するイ・ガンインらを擁する韓国の選手にとって、懸かっているのは3連覇以上のものだ。フォーブス誌は「金メダルを獲得すれば、キャリアを中断させる兵役の免除という極めて重要な権利が与えられる」と注目した。
「2週間前、パリ・サンジェルマンのMFイ・ガンインはUEFAチャンピオンズリーグでボルシア・ドルトムントと戦っていた。今週、彼は日本の筑波大でプレーしている選手と対戦する」と切り出した同誌。すでに欧州トップクラスの舞台でプレーしている選手が、多くの大学生を擁するチームと向き合うことになるが、記事では「これはイにとって最大の試合になるかもしれない」と強調する。
同誌は、韓国では20代のうちに通常18か月の兵役が科されていると説明。国内リーグに所属する国軍体育隊チーム・金泉尚武FCに入ることで免除される道もあるとしながら、「それでも欧州でプレーする選手にとっては非常に大きな中断だ」と指摘。兵役免除が懸かったアジア大会を、「韓国サッカー協会は非常に真剣に受け止めている」と伝えた。
日本との決勝を制して優勝した前回の2018年ジャカルタ大会には、現在もイングランド1部プレミアリーグのトットナムで活躍するFWソン・フンミンが出場。記事では「インドネシアで韓国が金メダルを獲得していなければ、ソン・フンミンはおそらくプスカシュ賞(FIFA年間最優秀ゴール賞)にも、プレミアリーグの得点王も輝いていなかっただろう」と、兵役免除がなければ、その後の輝かしいキャリアが幻になっていた可能性を指摘した。
今大会では“韓国の至宝”と評されるイ・ガンインの他にも、チョン・ウヨン(シュトゥットガルト)やホン・ヒュンソク(ヘント)など海外クラブでプレーする選手が代表入りしている。結果次第でメダルの色だけではなく、今後のサッカー人生も一変するかもしれない決勝戦。韓国選手は大きなものを懸けて臨んでくる。
(THE ANSWER編集部)