那須川天心ボクシング2連勝から一夜明け会見

　ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心（帝拳）が19日、ボクサー転向後2連勝から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナでの123ポンド（55.79キロ以下）契約8回戦でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンに3-0の大差判定勝ち（80-70×3）。4月のデビューから2戦連続の判定決着に悔しさを見せた。さらに帝拳ジムの本田明彦会長は来年に海外デビューする方針を明かした。

　前夜は試合開始わずか1分、那須川がカウンターで早くもダウンを先取した。2回以降も打ち下ろしの左やボディーでぐらつかせる展開。フックも織り交ぜ、6回にはロープ際でラッシュした。7回に2つ目のダウンを奪い、最終8回の終了間際にも左。初のKO勝ちはお預けになったが、デビュー戦から確かなレベルアップを見せていた。

　4回頃に左拳を痛めたが、この日はほとんど傷のない顔で会見。その後に帝拳ジムの本田会長が取材に応じた。3戦目は年明けに国内開催を予定しており、相手は国内外を含めて検討中。ここまでの2戦と同じく米興行大手・トップランク社もプロモートに関わっていくため、時期は未定だが「来年、1回は海外でやります」と明かした。

　前夜については「2試合で14ラウンドできたことは非常に大きな経験です。昨日の判定は本人が一番こたえています。あれだけ（KO勝ちすると）言っていたわけですから。ボクシングの厳しさ、甘くないことを教えてもらっているところ」と振り返った。左拳の骨折は否定。20日に検査し、1か月ほど休養を挟んだ後は走り込み合宿、海外スパー合宿、国内でのスパーと今回と同じ流れで経験を積ませるという。

「パンチをもらわないことが第一」とこれまでの練習パートナーはスピード重視の選手だったが、今後は「守られた時に崩せるようにならないといけない」と防御の上手い選手を想定。グッズ販売や告知活動は本人に任せているが、「ボクシングの鍛え方はこちらの方針」と話した。

「まだキックの癖が抜けていません。相手に合わせにいってしまう。ガードを固めた相手に『どこを殴ればいいんですか』と言っていました。まだガードの上から殴れない。まだ打ち合いをわかっていません。いい経験です。一番の不安はスタミナ。引き出しはゼロです。まだ始めて1年ですから。昨日の相手はアマチュアボクシングを150戦以上していますが、それもありません。ただ、格闘家としては持っているものがあります」

　那須川も「ボクシングの奥深さはずっと感じています。パンチを打つにしても一個、一個に発見があって楽しくて仕方ない。新たな課題が見えたので、まだまだ道のりは長い。早く練習したい」と前を見据えていた。