那須川天心の対戦相手に壮絶過去 強盗被害で全身20か所刺傷、ボクシングは「17人家族を助けるため」
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が18日、ボクシング転向2戦目として東京・有明アリーナでの同級ノンタイトル8回戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンと対戦する。グスマンは13日、都内の帝拳ジムで練習を公開。7年前に母国で強盗被害に遭ったことなど壮絶な過去を告白した。戦績は25歳の那須川が1勝、27歳のグスマンが10勝(6KO)2敗。
那須川天心のボクシング転向2戦目
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が18日、ボクシング転向2戦目として東京・有明アリーナでの同級ノンタイトル8回戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンと対戦する。グスマンは13日、都内の帝拳ジムで練習を公開。7年前に母国で強盗被害に遭ったことなど壮絶な過去を告白した。戦績は25歳の那須川が1勝、27歳のグスマンが10勝(6KO)2敗。
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明るい表情に順調な調整ぶりを窺わせた。グスマンはシャドー、ミット打ち、縄跳び、再びシャドーの順番で練習を公開。それぞれ1ラウンドずつ行い、汗を流した。「日本に来て時差は克服した。リラックスして体を休めている状況だ」。来日後は那須川と時間をずらして帝拳ジムで調整。ジム内には那須川のポスターが多く貼られ、「有名なんだなと思う」と笑った。
7歳からボクシングを始めた理由は「生活に必要だから。17人の家族を助けるために必要だった」と説明。7人兄弟で2人の娘を持ち、祖母や親戚も含めると17人家族で生活しているという。アマチュア時代から金銭的サポートを受け、2013年にプロデビュー。国内王者になり、「地元ではみんなにリスペクトを受けている」と有名になるまで成長した。
しかし、7年前にメキシコでギャングによる強盗被害に遭い、マチェテ(なたのような刃物)やナイフで左腕など20箇所を刺されたという。「相手は3人。自分の双子の兄弟まで襲われた」。出身地は特に治安が悪く、「神経、腱がズタズタになった」と1年間のリハビリ生活を余儀なくされた。「相手はギャング同士の抗争があってもういないよ」と日本では非現実的な話を今では笑って明かす。
そんな修羅場を経験したグスマンは、今月1日に母国で防衛戦を予定していたが、直前で試合キャンセル。那須川も別の選手と対戦予定だったが、相手が新型コロナウイルスに感染した。互いに急遽相手が変更された一戦。グスマンはキックボクシングから転向してきた那須川に実力差を見せつけることを誓った。
「ボクシングとキックボクシングは違うもの。(那須川は)確かにスピードはあるけど、キックから上がってきた人間のボクシングと、ボクシングをやってきた人間のボクシングは違う。自分の方が完成されたボクサー。勝利を確信している」
同興行ではWBA&WBC世界ライトフライ級2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)が、WBA4位&WBC1位ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)との防衛戦(WBA2度目、WBC3度目)を予定。WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(M.T)が同級6位アルヒ・コルテス(メキシコ)との初防衛戦に臨む。
○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第5弾として独占生配信される。日本のプライム会員は追加料金なしで視聴可能。これまで昨年4月の村田諒太(帝拳)―ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦、同6月の井上尚弥(大橋)―ノニト・ドネア(フィリピン)戦、同11月の寺地―京口紘人(ワタナベ)戦、那須川のデビュー戦の全4回が生配信され、いずれも大きな反響を集めた。
(THE ANSWER編集部)