日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日

　女子ゴルフの国内メジャー・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯は10日、長崎・パサージュ琴海アイランドGC（6755ヤード、パー72）で最終日が行われた。2打差3位から出た20歳のルーキー・神谷そら（郵船ロジスティクス）が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算12アンダー。逆転でメジャー初優勝を掴んだ。大会初出場での優勝は6人目の快挙で、4月のフジサンケイレディスに続くツアー通算2勝目。優勝会見では「不思議な感覚。そわそわしています」と心境を明かした。

　1番パー5で2オンに成功し、いきなりバーディーを奪った神谷。9番パー5で4メートルのバーディーパットを沈めて小祝さくらに並び首位タイに浮上。10番パー4でもきっちりバーディーを奪った。逆に小祝がこのホールをボギーとしたことで単独首位に立った。15番パー5でもバーディーを奪い、この日は4ホールあるパー5のうち3つでスコアを伸ばした。

　16番パー4ではティーショットをラフに入れ、2打目でグリーンに乗せるもピンまで距離が残った。難度の高いグリーンでのバーディーパットはピンを大きくオーバー。この日初めてのボギーを叩き、17番パー3でも小祝がバーディーとして1打差に迫られた。勝負の最終18番パー4で小祝がパー。神谷は3打目でピンに寄せ、ウイニングパットを決めてメジャー初制覇が決まった。拍手を受けた神谷は目元をぬぐいながらグリーンを離れていった。

　優勝会見で神谷は「不思議な感覚。去年テレビで見ていた側だし、出られただけでうれしかった。優勝もできてまだ実感もない。そわそわしています」と率直な思いを口にした。大会前までドライビングディスタンス全体1位の258.81ヤード。飛距離が武器だ。「スタートで緊張はなく、69を目標にしてやっていたけれど、それを上回れてよかった」と安堵した。

　昨年はこの大会で、同級生の川崎春花が優勝。まだアマチュアだった神谷は、練習場で中継映像を見ていた。「同級生で初めて勝ったのが、はるちゃんのこの試合。最初はすごいなというのと、悔しいなという気持ちがあった」。その年のプロテストでトップ通過。「悔しいな、じゃあ頑張ろう」の思いをプレーにつなげた。

　今年4月のフジサンケイレディスでは新人一番乗りの1勝目。以降は熱中症やアレルギー反応で体調を崩す時期もあり、棄権2度、予選落ち5度と苦しんだ。NEC軽井沢72で復調するも、プレーオフの末に2位だった。「意外とあっさり切り替えられた」と前向きにツアーを戦い、今大会も第3ラウンドで軽い熱中症の症状が出たが、前日10時間睡眠で回復。「アドレナリンが出ていたので乗り切った」と栄冠を掴んだ。

　今後意識しているのは11月の日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック。「どこまで今の自分で通用するか見たい」と意気込む。「将来的には、海外ツアーに出たい。（時期は）どれくらいがいいですかね…（笑）。まだ日本ツアーで優勝争いに加わる回数も少ないし、技術的に足りない」。20歳は向上心を胸に3勝目を目指す。