女子シングルス準決勝で起きた抗議活動

　テニスの4大大会・全米オープン（OP）は7日（日本時間8日）、女子シングルス準決勝のコリ・ガウフ（米国）とカロリーナ・ムチョバ（チェコ）の一戦が行われたが、その試合中に環境活動家の抗議活動により試合が49分間にわたり中断した。これについて英紙は抗議グループの声明を紹介。「どんな活動家よりも、すでに気候のほうが阻害するものになっています」と主張している。

　場内が騒然としたのは、ガウフが第1セットを6-4で取り、第2セットの第1ゲームをキープした後だった。観客席で「END FOSSIL FUEL（化石燃料を終わらせろ）」と書かれたTシャツを着た環境活動家の人物が叫び始めたことで試合が中断。関係者が退場させようとしたものの抵抗し、中断時間は49分にも及んだ。

　全米オープン公式X（旧ツイッター）は試合後、49分間中断した経緯を説明。その中では抗議者の1人が自身の裸足を張り付け、そのために「この人物をスタジアムから安全に退去させるために、ニューヨーク市警察と医療関係者の手が必要となった。4人の抗議者はニューヨーク市警察に拘置された。プレーが再開されるまで合計で49分が経過した」という。

　英紙「ガーディアン」は、「気候問題の抗議者が足をスタンドの床にのり付けして全米オープン準決勝が中断に」との見出しで報道。中断の影響を受けたガウフは、セットカウント2-0で勝利し初の決勝進出を果たした試合後、「もちろん、6-4、1-0で勝っているときに起こってほしくはありませんし、勢いを維持したいと思っていました」とした上で、「しかし、もし彼らが声を聞いてもらうために必要なことだと彼らが感じていたなら、それについてあまり怒ることはできません」とのコメントを残している。

　一方、同紙は「気候問題の抗議グループ『エクスティンクション・レベリオン』が、この中断の責任者であると主張している」と伝え、団体のスポークスパーソンであるマイルズ・グラント氏の声明を紹介。「どんな活動家よりも、すでに気候のほうが阻害するものになっています。全米オープンや他の大きなテニス大会を見てください。毎年毎年、平均気温は上昇し、選手や観客にとってどんどん危険なものになっています」と温暖化の危険性を指摘。「どこかの時点で、度を越した暑さにより、屋外のスポーツイベントは少なくなってしまうでしょう」と主張し、同団体の行動の背景を説明した。