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世陸で日本選手に逆風、北口榛花の告白に陸上界から切実な声「審判のミス」「不安で従うしか…」

8月にハンガリー・ブダペストで行われた世界陸上の女子やり投げで、金メダルを獲得した北口榛花(JAL)が自身のX(旧ツイッター)を更新。大会の裏で吹いていた日本人への逆風を明かした。ファンから多数の反響が集まったが、陸上界からも北口の投稿に反応する声が上がった。

女子やり投げの北口榛花【写真:ロイター】
女子やり投げの北口榛花【写真:ロイター】

北口がXで世界陸上での出来事を投稿

 8月にハンガリー・ブダペストで行われた世界陸上の女子やり投げで、金メダルを獲得した北口榛花(JAL)が自身のX(旧ツイッター)を更新。大会の裏で吹いていた日本人への逆風を明かした。ファンから多数の反響が集まったが、陸上界からも北口の投稿に反応する声が上がった。

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 北口は世界陸上の最終投てきで66メートル73を記録し、4位から大逆転。日本女子では全種目を通じて26年ぶり、トラック&フィールド種目初の金メダルを獲得した。日本時間1日、Xにて「なぜ私だけ無事だったかわからないですが、強くNOと言えることの必要性を再確認しました」と投稿。さらに同2日の日本時間深夜になって、長文の画像で前の投稿の意図を伝えた。

「世界選手権で規定内ピンを使っていたにも関わらず、試合前のチェックでなぜかコントロールに引っかかり、直前でピンを変えさせられ、しかも手でつけられるということが、他の日本人女子選手たちに起きたからです。私は同じピンでしたが、変えられませんでした。オフィシャルでも人間なので違うと思ったらNOとその場で抗議しなくてはならないと感じました」

 スパイクをめぐって日本選手が苦しんでいたと見られる。北口自身は主張して事なきを得たようだが「実際に救済はありませんでしたし、前にチームメイトが槍の着地の2-3メートル前を測られた時も、試合後抗議しても救済はありませんでした」「これから海外で試合することも多いので備忘録として呟きました」とも投稿した。

 ファンからは多数のコメントが集まったが、陸上界からも声が上がった。世界陸上に男子走り幅跳びで出場した吉田弘道は、Xで北口の投稿を引用。7メートル60で予選落ちに終わったが「言い訳になってしまうと思い、墓まで持っていくつもりでしたが、僕も規定違反だと言われて直前に使ったことないピンに変えられました」と競技直前の出来事を明かした。

 さらに「初めての海外で試合に出られなくなってしまうのでは……という不安から従うしかできませんでしたが、モヤモヤした状態で試合に臨んでしまったことは間違いありません」と記し、気持ちが整わない状態で試合に臨んでいたようだ。

 またアトランタ、アテネと2度の五輪に出場し、引退後はコーチとして活躍する土江寛裕氏は「この事実はもっと知られるべき。完全な審判のミス。選手がNOと言えることも大切だが、審判のミスを『ごめんなさい』で済ませてしまうことも信じられない。2025年、審判のみなさんも判定には細心の注意をして臨んでいただきたい」と、審判側にも適切な判断と行動を求めていた。

 北口と同じく女子やり投げに出場した斉藤真理菜は、北口の投稿前に自身のインスタグラムで「今回試合の前に何度も確認をし、規定内のスパイクのピンをつけて試合に臨んだ。規定内の物をつけていたにも関わらず、試合直前にピンを変えられた」「スパイクの確認をした際、付けていたピンの形状を見たことがないという理由で、これはダメだと判断されピンを変えた。大会側のミスで起こってしまった事だと分かった時は、なんとも言えない気持ちになった」などと無念の思いを記していた。

 北口は投稿の最後に「あまり事実は共有されていないので、今後誰にでも起こる可能性があると思いました」と今後も気を付けるべき事象だと記している。

(THE ANSWER編集部)


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