世界陸上大トリ5mに劇的ドラマ 初日転倒した場所で大逆転の金メダル、確信は「ゴールした時よ」
ブダペスト世界陸上は27日(日本時間28日)、女子4×400メートルリレー決勝が行われ、オランダが3分20秒72で初優勝。初日の混合4×400メートルリレー決勝、ラスト5メートルで転倒し、金メダルを逃したアンカーのフェムケ・ボルがラスト5メートルで大逆転を演じた。まさに筋書きのないドラマで大会最終種目を締めくくり、ボルは「アメージングなことね」と笑みを振りまいた。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は27日(日本時間28日)、女子4×400メートルリレー決勝が行われ、オランダが3分20秒72で初優勝。初日の混合4×400メートルリレー決勝、ラスト5メートルで転倒し、金メダルを逃したアンカーのフェムケ・ボルがラスト5メートルで大逆転を演じた。まさに筋書きのないドラマで大会最終種目を締めくくり、ボルは「アメージングなことね」と笑みを振りまいた。
悲劇と同じ場所で歓喜を味わった。オランダは3番手でアンカーのボルへ。1位ジャマイカとは7、8メートルの差があり、バックスストレートでもなかなか差が縮まらない。しかし、4コーナーを回って直線に入ると、ボルが驚異のラストスパート。2位英国を抜くと、ゴール寸前で1位ジャマイカを逆転し、ゴールに飛び込んだ。信じられない結末に会場は大歓声が沸き起こった。
大会初日の19日(同20日)には、混合4×400メートルリレー決勝のアンカーで先頭を走りながらラスト5メートルで転倒。すぐに起き上がって3番手でゴールしたが、落としたバトンがゴールラインを越え、まさかの失格となった。そんな悲劇を演じたボルが大会最終日の最終種目でこれ以上ないドラマを起こし、ブダペスト世界陸上を締めくくった。
メンバーと一緒にメダルセレモニーに出席。金メダルを提げ、明るく取材エリアにやってきた。「混合リレーの転倒はこのメダルをさらに特別なものにしているか」という問いに「ええ、もちろんよ」と笑顔。「(転倒で)最後の数メートルに自信を持つのが少し難しかったけど、昨日の結果(同種目予選)がすでに助けてくれた。今日は最後の数メートルを走り抜けられる、バランスを保てると思えた。アメージングなことね」と振り返った。
勝利を確信したのは「フィニッシュラインを切った時よ」と笑いを誘うコメントも。「いつも最後まで走り続けなければいけないわ。どんなことでも起こりえるから」と語った。
劇的な結末を迎えた世界陸上。来年はパリ五輪が行われ、2025年に東京世界陸上が開催される。
(THE ANSWER編集部)