ブダペスト世界陸上

　ブダペスト世界陸上で撮影された悲劇的であり、ドラマチックな写真に反響が広がっている。19日（日本時間20日）、混合マイルリレー決勝で先頭を走っていたオランダのアンカー、フェムケ・ボルがゴール5メートル手前で転倒。バトンを落としてゴールし、失格となる悲劇が起きた。優勝した米国のアレクシス・ホームズに抜かれ、明暗が入れ替わる瞬間を海外カメラマンが撮影。世界陸上で8個、五輪で4個の金メダルを獲得した伝説のマイケル・ジョンソン氏（米国）が絶賛した。

　アンカー勝負に突入した混合マイルリレー決勝。オランダの女子選手ボルが先頭で最後の直線に入った。しかし、米国のホームズが猛追。なんとかボルが先頭で逃げ切るかと思われた。しかし、その瞬間にまさかの転倒。落としたバトンだけがそのままゴールラインを越えた。本人はすぐに立ち上がって3番手でゴール。倒れた地点はゴールわずか5メートル手前だった。オランダは失格。ボルは頭を抱え、呆然とした様子だった。

　ジョンソン氏はツイッターで1枚の写真を掲載。それはまさにボルが転倒し、ホームズに抜かれる決定的瞬間をとらえたもの。「（カメラマンの）ジャスティン・ブリットンによるこの写真は完璧なタイミングだ」と絶賛し、「アレクシス・ホームズは偉大な競争者であるフェムケ・ボル相手に全く怯まなかった。ボルの直感はこの挑戦に反応し、その結果転倒した。アメージングな瞬間。アメージングな1枚だ！」と評した。

　海外ファンからも「信じられない！」「これは素晴らしい写真だね！」「この写真はボルを数年呪うだろう」「最高の写真だ」「スポーツの浮き沈みを完璧に捉えている」「痛そうな転倒だ」「適切なタイミングでプレッシャーを与えて結果を得る」「ボルはレースの95％で快適そうだったけど可哀想だ」との声が上がった。世界からカメラマンが集まっている国際舞台。その一瞬にレンズを向け、さまざまな場面を逃さず、切り取られている。