「アイドルになりきった」 初V菅沼菜々、重圧を乗り越えたまさかの秘訣「アイドルは怒らない」
女子ゴルフの国内ツアー・NEC軽井沢72最終日が13日、長野・軽井沢72G北C(6702ヤード、パー72)で行われた。3打差の単独首位で出た23歳の菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が通算16アンダーで並んだ神谷そら(郵船ロジスティクス)とのプレーオフ(PO)を制し、悲願のツアー初優勝を果たした。昨季はトップ10に15度入りながら未勝利。「広場恐怖症」のハンデを持ちながらプロ6年目でついに栄冠を手にし、会見では天真爛漫なキャラクターが溢れだした。
国内ツアー・NEC軽井沢72最終日
女子ゴルフの国内ツアー・NEC軽井沢72最終日が13日、長野・軽井沢72G北C(6702ヤード、パー72)で行われた。3打差の単独首位で出た23歳の菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が通算16アンダーで並んだ神谷そら(郵船ロジスティクス)とのプレーオフ(PO)を制し、悲願のツアー初優勝を果たした。昨季はトップ10に15度入りながら未勝利。「広場恐怖症」のハンデを持ちながらプロ6年目でついに栄冠を手にし、会見では天真爛漫なキャラクターが溢れだした。
菅沼は最終18番で追いつかれたが、PO2ホール目に第2打をピン奥1メートル半にピタリ。神谷はグリーンに乗せられず、アプローチはピンをオーバーした。パーで終えると、菅沼がバーディーパットを決めて優勝。笑顔で拳を突き上げて大喜びした。グリーン脇で待ち構えた同期の稲見萌寧とハグ。涙を流した。
昨年はトップ10が15度もあり、2位と3位がそれぞれ2度ずつ。メルセデス・ランキング8位に入るほど安定していた。しかし、今季も19戦でトップ10に4度入りながら初優勝には届かなかった。
一方、全国を転戦するゴルファーにとって大きなハンディキャップとなる「広場恐怖症」を持つ。「電車、飛行機、船、ヘリコプターなど……自力で外に出られない状況があると発作が起きます」と沖縄や北海道のツアーには出られない。時には父の運転する車で最大1200キロほどを移動することもあった。
試合後の会見の主な一問一答は以下の通り。
――心境は。
「去年はなかなか勝てず、凄い皆さんに『初優勝を待っている』と言われて悔しい想いをしてきた。勝てないと思う時もあったけど、オフに結構頑張ったので優勝できて嬉しいです。今日はPOに行くカートでギャラリーさんに『ななちゃんなら行ける』と言われてうるうるした。(優勝後は)萌寧ちゃんとか待っていて泣きました。そらちゃんも本当に強いと思いました。優勝を考えるより、楽しむぞっという気持ちでした」
――PO2ホール目の2打目について。
「抑えるショットを練習してきた。その成果が出たと思う。自信を持って打ちました」
――勝てない時に支えられたものは。
「応援して下さる方がたくさんいて、会場でも声をかけてくださる方がたくさんいる。その人たちに支えていただいた。1つの番手で20ヤードくらいの幅を打てるように練習した。合宿で朝から夕方まで。アプローチ、パットも練習してきたのがよかった」
――広場恐怖症で公共交通機関に乗れない。移動を支えた父には。
「一人では本当に厳しい。コーチもしてくれて本当に感謝しています。九州で遠くて疲れている時も支えてくれるので感謝しています。喧嘩はしないです(笑)」
――病に苦労もあった。
「北海道と沖縄に行けないハンデ。なかなか理解を得られない病気。見た目じゃわからないし、同じように見た目ではわからない病気を持っている方はたくさんいる。同じ病気の方に元気を届けられたら」
――高校2年で無気力症候群に。
「それが広場恐怖症だったみたいです。電車に乗っていて急に降りたくなったのが始まりです。広場恐怖症がわかったのは3、4年前。無気力症候群の時はゴルフもやめていた」