本拠地ホワイトソックス戦に「3番・DH」で出場

　米大リーグのエンゼルス・大谷翔平投手は29日（日本時間30日）、本拠地ホワイトソックス戦に「3番・DH」で先発出場し、9回の第5打席で中越えへ2試合ぶり29号2ランを放った。2021年6月に自身が記録した13本を更新する月間14発で、球団の月間最多記録となった。これで年間56発ペースに到達。3年連続30本に王手をかけた。今回の4連戦で4被弾を喫した敵地実況席も「この男は特別な選手ですね」ともはや“見慣れた”様子で伝えている。

　意地の一発だった。5-9と4点ビハインド、敗戦まであと一人だった9回2死一塁の第5打席。大谷は右腕グレーブマンが投じた変化球にタイミングを合わせてバットを振り抜いた。打球は左中間に飛び、余裕のフェンスオーバー。逆方向にもかかわらず、打球速度111.3マイル（約179.1キロ）、飛距離438フィート（約133.5メートル）の豪快な29号2ランとなった。このホワイトソックス4連戦は4発に投手としても1勝と信じられない活躍だ。

　ホワイトソックスの試合を中継する米イリノイ州地元局「NBCスポーツ・シカゴ」の実況を務めるジェイソン・べネッティ氏は「オオタニが花火を打ち上げた。試合は2点差に。オオタニはこのシリーズ4本目です」と伝えると、解説のゴードン・ベッカム氏も「この男は特別な選手ですね。真ん中に来た変化球でした。グレーブマンは投げた瞬間に打たれたと分かりましたね」と話した。4点リードの余裕もあったのか、今シリーズ4本目の被弾も“見慣れた”様子で語っていた。

　もちろん米カリフォルニア州地元局「バリー・スポーツ・ウェスト」実況席は大谷の球団新記録に興奮。実況のウェイン・ランダッゾ氏は「高い打球が左中間へ飛んだ！　ショウヘイがまたもや観客を沸かせた！　球団記録の6月14本目だ！」とハイトーンで伝えると、解説のマーク・グビザ氏も「スライダーを粉砕した！　29号で66打点だ！　ショウヘイ・オオタニは信じられない！」と続いた。

　ホームランキング争いで2位のルイス・ロバートJr.外野手（ホワイトソックス）との差を「6」に広げ、独走態勢を築いている大谷。自軍選手もかずむほどの活躍に敵地実況席も“何も驚かない”といった様子だ。