全仏テニス加藤未唯の失格騒動、全仏準V2回の元選手が擁護「厳格すぎる」「100%意図的じゃない」
テニスの全仏オープンは4日に女子ダブルス3回戦が行われ、加藤未唯(ザイマックス)、アーディラ・スーチャディ(インドネシア)組がサラ・ソリベス=トルモ(スペイン)、 マリエ・ブズコバ(チェコ)組と対戦したが、第2セット途中で失格宣告を受けた。加藤がボールガールにボールをぶつけてしまったことが原因だが、海外メディアで解説を務める元選手からは加藤を擁護する声が広がっている。
女子ダブルス3回戦での一幕
テニスの全仏オープンは4日に女子ダブルス3回戦が行われ、加藤未唯(ザイマックス)、アーディラ・スーチャディ(インドネシア)組がサラ・ソリベス=トルモ(スペイン)、 マリエ・ブズコバ(チェコ)組と対戦したが、第2セット途中で失格宣告を受けた。加藤がボールガールにボールをぶつけてしまったことが原因だが、海外メディアで解説を務める元選手からは加藤を擁護する声が広がっている。
第1セットを落として迎えた第2セット、3-1で迎えた第5ゲームに加藤は自コートに落ちていたボールをバックハンドで相手コート奥の方向に軽く打ち返した。しかし、ボールは大きく飛んでしまい、立っていたボールガールの頭を直撃。その後ボールガールは泣き出してしまった。これを受け、対戦相手側が主審に申告。最初は警告だけにとどまっていたものの、結局加藤、スーチャディ組に失格が宣告された。
これについて、ツアー通算20勝、2度の全仏男子シングルス準Vの実績を誇るスペイン出身の元テニス選手、アレックス・コレチャ氏は解説を務める欧州衛星放送「ユーロスポーツ」の記事内で「どこに打つかは注意しなければいけません。今回起こったように誰かに当ててしまうかもしれませんから。彼女はボールガールに当ててしまいました。しかし、意図的ではないのは100%確かです。それほど彼女を傷つけたわけでもありません。レフェリーとアンパイアの間で多くの討議がありました。私の意見では、この場面では彼女を失格にするのは厳格すぎたと思います。なぜなら(打球は)とてもゆっくりでしたから」と加藤の行為が意図的ではないと見ている。
コレチャ氏は「もちろん、結論は尊重しなければいけませんが、それをするほど悪かったとは思いません。私はまず第一に少女を気の毒に思いました」とした上で「テニス選手として、私は選手を失格にするほどではなかったと思います」と主張。「誰かに当てるというのは危険なことですし、ノバク(ジョコビッチ)が全米オープンで線審の喉に当てたのも見ていますから、難しいことです。しかし、あれは(今回よりも)速く、近く、彼女(線審)を傷つけました」と2020年の全米オープンでボールボーイにボールをぶつけて失格になったジョコビッチのケースとは異なる見解を示した。
さらに「今回は、少女の背中に当たりました。いつも難しいことですが、彼女が反対のコートへボールをパスしようとしていたことが分かります。それは数多く起こっています。たとえ相手選手や走っているボールキッズに当たったとしても。私からすれば、少し厳格すぎました」と指摘する。
それを踏まえ「主観ですし、見ていないことをジャッジするのは最も難しいことです。チェアアンパイアもレフェリーでさえも全ての出来事を見ていませんでした。(失格になるほど)強かったとも意図的だったとも思いません。意図的ではなかったと分かります。誰かに意図的に当てるためにボールを打つ人はいません」と疑問視し、審判が目視していなかった事象についての裁定への難しさも語っている。
(THE ANSWER編集部)