栗山英樹監督、WBC選手に「ありがとうな!って言い続ける」 源田復帰は「嬉しかった」【退任会見一問一答】
3月に開催された野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」を3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督が2日、都内のホテルで監督退任記者会見に臨んだ。5月31日付けで契約満了となり退任。次期監督については未定。「ありきたりだけれど、彼らに何度会っても『ありがとうな!』って言い続けてるんだろうな」と選手への感謝を口にした。
都内で退任会見に出席
3月に開催された野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表「侍ジャパン」を3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督が2日、都内のホテルで監督退任記者会見に臨んだ。5月31日付けで契約満了となり退任。次期監督については未定。「ありきたりだけれど、彼らに何度会っても『ありがとうな!』って言い続けてるんだろうな」と選手への感謝を口にした。
栗山監督はスーツ姿で登壇。報道陣から拍手を受けた。「まずは短い期間なのか長い期間なのか分からないですが、ジャパンの監督を務めさせてもらいました。結果的に勝ちきることができ、先輩が作ってくださった日本野球の素晴らしさを少しだけ伝えることができたと思います。子どもたちに野球って面白いと感じてもらえたなら嬉しい」と語った。
「本当に日々、WBCを見据えて1年弱、毎日毎日考えて、色んな人に会ってという時間でしたが、あれだけ必死になる環境を与えてもらって感謝しています。なかなかあれだけ充実した時間はこれからもないのかなと思う」と監督としての日々を振り返った。
栗山監督は日本ハム監督を経て2021年12月に侍ジャパンの監督に就任。3月のWBCではメジャーリーガーのエンゼルス大谷翔平、パドレスのダルビッシュ有のほか、初めての国外出身選手としてカージナルスのラーズ・ヌートバーも招集。村上宗隆、佐々木朗希ら国内選手を含めた最強ジャパンを作り上げた。
1次ラウンドを全勝で勝ち上がり、準々決勝ではイタリアを撃破。米マイアミでの準決勝メキシコ戦では、不振の村上が見事な劇的サヨナラ打を放った。米国との決勝戦では、1点リードの9回に大谷をマウンドへ。最後はマイク・トラウト外野手を空振り三振に仕留め、14年ぶりの王座奪回を果たした。
以下、主な一問一答。
――栗山監督自身が残せたと感じるものはあるか。
「僕がやったことで、次に参考になることがあるかは分からない。ただ、選手たちがどこで野球をやっていても、個人的事情があっても、日本野球のために行くんだという形になったと信じている。『侍』という形で続いていってほしい」
――日本野球の良さは何だと感じるか。
「今回、戦いながら思っていたのは、本当にきめの細かい、きちっと野球をやり切ること。例えばトレーニング方法、練習方法、技術。世界に誇れるものだと元々思っていたが、世界のどんな技術や力であっても適応できるのが日本野球のよさ。結果論ですが、アメリカで米国代表と戦って、ホームランを含め普通にぶつかり合えた。アメリカからするとベストメンバーじゃないと言われるかもしれないが、あれだけのメンバーの中で普通にぶつかり合えた。子どもたちに見ていてもらって、日本の誇れるもの、日本に生まれてよかったと思ってくれたんじゃないかなと勝手に思っている。先輩方が作ってくれたものがさらに進化しているというのが、今回の形であり、日本野球の良さ」
――監督としての苦労は。
「あれだけの超一流プレーヤーが集まる。絶対ケガさせちゃいけない、元気な姿でお返ししないと。宝物を預かる大変さ、責任は自分の中で大きかった。これだけの宝に少しでもいい経験をしてもらいながら前に進まないといけない。ただ、正直言うと、僕以上に選手の方が大人だし、考えている。全て選手に救われた。日本野球って素晴らしいと改めて思ったと思う」
――支えになったものはあるか。
「監督って相談できるところがない場合が多い。先人の書物、言葉は相当参考になった。先人の言葉は歴史の積み重ねなので」
――次の監督に望むものは。
「次の監督にこうあってほしいというのはない。素晴らしい野球人がたくさんいるので。ひたすら1年半弱、全力で走ってきた。ただ、一つ思っているのは、選手が全てのリスクを背負って日本野球のために集まってくれている。全ての人たちが、自分のことではなく、日本野球のために必ず集結する。そこだけは信じている」
――WBCで共に戦った選手へ。
「この前、(西武の)源田選手が(故障から)復帰して嬉しかったし、迷惑かけたという思いもある。僕も一緒にやって感動したので、選手たちがとにかく今年野球をやって良かったと思えるシーズンを過ごしてほしいと思っている。ありきたりだけれど、彼らに何度会っても『ありがとうな!』って言い続けてるんだろうなと。見たことない景色を選手に見せてもらって、(勝因は)何だったのって言われてもよくわからないけれど、勝ちきるときってそういうときなんだろうなと。負ける時は色々要因が見えてくるけれど、それが最後まで分からないのは幸せですよねと言ってもらって。ありがとうなって」
(THE ANSWER編集部)