サニブラウンが会見

　東レ株式会社は31日、昨年7月のオレゴン世界陸上男子100メートルで日本人初の決勝進出を果たした24歳のサニブラウン・ハキームとグローバルパートナーシップ契約を締結したことを発表した。東レ代表取締役社長の日覺昭廣氏とサニブラウンが同日、大阪・ヨドコウ桜スタジアムで会見。契約期間は4年という。

【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今　2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
（W-ANS ACADEMYへ）

　東レの地球環境問題への取り組みやグローバルに成長していく姿、極限を追求する研究・技術開発の姿勢に強く共感したというサニブラウン。グローバル総合化学メーカートップを目指す東レは、常に挑戦を続けるサニブラウンの姿に感銘を受け、本気で世界一を目指すパートナーシップ契約を締結した。

　サニブラウンは紺のシックなジャケット姿で登場。東レの印象などについてこう語った。

「素材会社として世界に挑戦されているだけではなく、飛行機などの素材を作っていることを知り、とても驚きました。自分自身、陸上で世界一を、世界記録を目指して、五輪でメダルを獲ることを目指して、自分だけではなく、東レさんと一緒に世界のトップという同じ夢を追いたい。陸上自体が毎日の練習の積み重ね。0.1秒を追及していく。東レさんの目標と思いが共通していると思います。

　自分自身、いろいろと陸上教室など子供たちに向けてやってきたので、そういうところも東レさんのお力をお借りして、日々サポートをして力添えできればと思います。自分自身も新しいことにチャレンジすることが大事と掲げている。今までにないものに取り組み、最終的には大きなものにしていければと思います」

　従来のスポンサーシップとは異なる、アスリートと企業が双方で価値を共創していく“新たなるスポーツパートナーシップ”というモデルの締結内容。サニブラウンは東レのロゴが入ったウェアを着用する。

　6月1日には、8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック＆フィールド種目の日本選手権が大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕する。サニブラウンは、1年ぶり国内凱旋レースで5大会連続の世陸切符がかかる。100メートルは予選が3日目、準決勝と決勝が最終日に行われる。

　ワールドランキング対象のレース数を満たしていないが、昨年世界陸上で日本人最上位の7位入賞だったため、今年の参加標準記録10秒00をクリアした時点で代表内定。今大会は100メートルのみの出場で、同種目2連覇＆4度目の優勝がかかる。今季は4月末に米国で100メートルに出場。今季初レースで10秒13（追い風参考2.3メートル）、10秒16（追い風参考2.9メートル）だった。

　日覺氏は「様々なスポーツで使われる用具の素材に使われている。日本陸上界のエースであり、世界の舞台で活躍されているサニブラウン選手とパートナーシップを締結できたことは大変喜ばしいことです。厳しい世界で世界一になる高い目標を掲げるサニブラウン選手と東レの飽くなき思い、極限を追及する共通の高い志を感じ、一緒に世界で勝負していこうということになりました」などとコメントした。

　2026年に創立100周年を迎えることもあり、「ともに支えながら互いの目標に向かって走り抜けたい。同じ仲間として応援、サポートさせていただければ」と話した。