ソノカム、世界1位ペア撃破 「我慢」で2大会連続メダル確定「焦らず、挑発に乗らず」
相手ペアの策略も同じ轍を踏まず「試合のどこかでやって来ると思っていた」
第2ゲームは、異様な展開になった。相手の前衛であるスカムルジョが嘉村の後方に高い球を上げてスマッシュを誘ったが、嘉村は付き合わずに同じ球で対応。互いに打ち合わないラリーが続き、強打の応酬を見たい観客からは、時折、ブーイングや失笑が起きた。風の影響が少なく、シャトルに勢いが出ない会場の特性を考え、強打が持ち味の園田ではなく、嘉村にスマッシュを打たせれば好レシーブから攻撃に転じられるという相手ペアの策略だったが、同じ轍を二度踏むことはなかった。嘉村は「ドバイ(で行われた昨年末のスーパーシリーズ・ファイナルズの対戦)では、ロングラリーで自分が(焦って仕掛けて)自滅するパターンだった。試合のどこかでやって来ると思っていた。焦らず、挑発に乗らず、我慢した。合宿でしっかりと追い込んで来たので、そこは絶対負けないと思って臨んだのが良かった」とあえて強打を打たなかった駆け引きの裏側を明かした。
強打の打ち合いにはならなかったが、それでも、8-4の場面では嘉村がコートに倒れながらレシーブする場面もあり、要所で観衆を魅了した。第2ゲームの終盤は18-11から7連続失点で追いつかれたが、相手のミスで19点目を先に奪うと、最後は園田のドライブ、ネット前からの嘉村のプッシュで連続得点を奪って勝利をもぎ取った。スーパーレシーブを連発した嘉村は「そういうのが入らないと、世界ランク1位のトップに勝てない」とニヤリ。翌4日の準決勝では昨年の銅メダル超えを狙う。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)