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大学の部活指導で大事な点は? ラグビー名将・岩出雅之「籠の中の鳥だと成長しない」

競技人口減少に見解「待っていても人は来ない」

 またラグビー界では近年、少子化などによる育成年代での競技人口の減少が各地で問題となっている。今年度の全国高校ラグビー大会でも、鳥取の倉吉東高が県予選を1試合も戦わずに花園出場を決めるなど、参加校不足の問題が表面化。2023年度の全国高校総体(インターハイ)から、ラグビーなど9競技で合同チームの出場が可能となるなど、団体競技は少子化の影響を受けている。

 こうした現状について、岩出氏は「我々の学生時代とは違って競技数がどんどん増えていますし、子供たちがスポーツ以外で接する遊べるもの、楽しめるものが多くなっていますからね」と、少子化だけではない環境面の変化を指摘。「スポーツ離れという時代。スポーツの魅力はたくさんあると思うので、そこを上手く体験の中で、子供たちに伝えていくような組織、関係性づくりが必要です。地域や1つのチームにこだわらず、横断的な関係性の広がりが非常に大事でしょう」と、この問題にラグビー界として連携して取り組んでいく必要性を説いた。

「待っていても人は来ないし、育たない。だからみんなが汗をかいて、地域とともに身近なところから羽ばたく機会を描けるような組織づくり、関係性づくりを本腰でやっていかないと、ラグビーもそうですが、どの競技も衰退していく」

 公立中学における部活動の地域移行など、これまでの日本の育成年代のベースとなっていた枠組みは今、大きく変わろうとしている。「諸外国の良さと日本独特の部分をいかに融合させていくかは、とても大事なこと」と語る岩出氏は、指導者時代と同じ情熱を持って日本スポーツ界の進むべき道を模索している。

(THE ANSWER編集部)


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