日の丸でWBC参戦、初の国外選手ヌートバーとは何者か 日本生まれの母へ抱く特別な思い
日の丸を背負って戦うのは「待ちきれない」「夢が叶う」
日本との繋がりを尋ねられたヌートバーは「母は日本で生まれ育ち、母方の親戚はまだ日本にいるんだ。私の兄と姉は日本で生まれた。私はここ(カリフォルニア州)エルセグンドで生まれたけどね」と説明。日本語については「多分あなたよりできないよ」と“日本通”でもあるバーランダー氏より劣っていると苦笑した。
代表入りが決まり、母親がインタビューを受けるなど注目を集めていることに対して、「彼女はもはや有名人のよう」と笑ったヌートバー。「彼女は今回のことを誇りに思っているだろう。彼女は私のために多くのことを犠牲にしてきてくれたし、毎日出来る限りのサポートをしてくれたから、彼女にスポットライトが当たるのは私にとってもとても特別なこと」と感謝の思いを述べた。
「母が日本生まれ日本育ちで日本のパスポートを持っているから、代表になる資格は持っているかもと思っていた」と選出の可能性は感じていたという。一方で、侍ジャパンではこれまで日本国外生まれの選手がいなかったことに触れ、前例がないことをするだろうか、と疑念もいただいていたという。
そんな中、インスタグラムのDMで声をかけてきたのがエンゼルス・大谷翔平投手の通訳を務める水原一平氏だった。それまで大谷とも水原氏とも面識がなかったというが、ヌートバーは代表入りにどれだけ興味があるか尋ねられると「必要な書類があるなら何でも書いてすぐに送るよ」と返答したという。
「素晴らしかったよ。彼(大谷)とはまだ直接会ったことがないけど、とてもワクワクしている。会ったら思いっきりハグして感謝を伝えるよ」と連絡を受けたときの喜びを語り、大谷との共闘を待ち望んだ。
日本の野球熱は「遠くから見るしかなかったから想像しかできない」としつつも、「母がグッズもなにも手に入れられていないんだ。全部売り切れちゃっているからね」と身近なところで盛り上がりを実感しているようだ。
日本名は「榎田達治(えのきだ・たつじ)」で、英語のミドルネームも「タツジ」。3月3日の中日との壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 名古屋」の練習では、日本代表でのニックネーム「たっちゃん」のシャツをメンバーが着用した。背番号は23。バーランダー氏のインタビューでは「待ちきれないよ。東京ドームは揺れ、ファンも大盛り上がりだろう。夢が叶うね」と日の丸を背負って戦う場面に胸を躍らせた。
(THE ANSWER編集部)