ボクシング物議のKOが「年間最高」に 米メディア選出も海外賛否「喜び方はアウトだ」
数多くのKOシーンが見られた2022年のボクシング界。各メディアがさまざまな賞を発表する中、米メディアが選出した「年間最高KO賞」が注目の的になった。海外ファンから称賛の声が上がった一方で、決着後の勝者の振る舞いに疑問を抱く意見も噴出。賛否が分かれる結果となった。
昨年10月のスーパーミドル級12回戦
数多くのKOシーンが見られた2022年のボクシング界。各メディアがさまざまな賞を発表する中、米メディアが選出した「年間最高KO賞」が注目の的になった。海外ファンから称賛の声が上がった一方で、決着後の勝者の振る舞いに疑問を抱く意見も噴出。賛否が分かれる結果となった。
ファイトそのものは圧巻だった。10月15日(日本時間16日)に米ニューヨーク州で行われたスーパーミドル級12回戦。前IBF世界同級王者カレブ・プラントはアンソニー・ディレル(ともに米国)に9回KO勝ち。左ボディーで体勢を崩し、ガードが空いたところにアッパー気味の左フックを見舞ってディレルを沈めた。
米スポーツ専門局「ESPN」のボクシング専門インスタグラム「ESPNリングサイド」はフォロワー投票の結果、このプラントのKO劇を「2022年ESPNリングサイド年間最高KO賞」に選出したと発表。海外ファンからは「その通り!」「マジで値する!」「セレブレーションはKO以上だった」「一言、見事だった」「最高のショット」といった称賛の声が寄せられた。
だが、この決着シーンでプラントが見せた行動は問題視された。倒れたディレルのそばにゆっくりと歩み寄り、スコップで土をかぶせて“埋葬”するようなパフォーマンス。たまらずレフェリーが制止しても、同じ動きをしばらく続けていたことで、世界で最も権威ある米老舗専門誌「ザ・リング」が「醜い戦いだった」と酷評したほどで、物議を醸していた。
それだけに、今回の最高KO賞選出についてファンからは「素晴らしいKOだったけど、スポーツマンシップは欠いていた」「ナイスなKOだったが、喜び方はアウトだ」など疑問の声も上がっている。
(THE ANSWER編集部)