リオ五輪女子マラソン代表入り逃がし号泣 25歳有望株が見据える次なる目標
先月13日に行われたリオデジャネイロ五輪女子マラソン代表最終選考会の名古屋ウィメンズは、劇的な幕切れとなった。
小原怜が示した可能性、リオ切符は1万メートルで再チャレンジ
先月13日に行われたリオデジャネイロ五輪女子マラソン代表最終選考会の名古屋ウィメンズは、劇的な幕切れとなった。代表入りした田中智美(第一生命)に1秒差で敗れ、落選したのが小原怜(天満屋)。2度目のフルマラソンであと一歩の好成績を残した若手有望株は、トラック種目でのリオ切符獲りへ再出発する。
残酷極まりない結末も、小原はしっかりと受け止めた。
30キロ過ぎで一度離された田中に37キロで追いつき、必死に追いすがった。リオ行きを逃したゴール直後こそ人目をはばからず号泣したが、約1時間後の記者会見では「力が足りなかったのが正直なところ。まだ私には1万メートルがある。最高のスタッフとともに、そこへ向けて取り組みたい」と気丈に切り替えた。
1万メートルのリオ切符。勝算は十分にある。
小原はもともとスピードが持ち味のタイプ。昨年6月の日本選手権で3位に入り、8月の世界陸上北京大会に参戦。海外勢のハイペースについていけず22位に終わったが、貴重な国際舞台を経験済みだ。今回の名古屋ウィメンズで田中と激しい競り合いを演じ「マラソンで培った脚を生かしたい」と自信も深めてトラックシーズンに臨む。
1万メートルの代表選考は、6月の第100回日本選手権で争われる。選考ルール上、現状で最も代表入りに近づく方法は、派遣設定記録(31分23秒17)を破った上で日本選手権8位以内に入ること。昨年31分48秒31の自己ベストをマークしている小原なら、達成可能な目標と言える。
名古屋でマラソン適性を示した25歳は、東京五輪でも活躍が期待される逸材。1万メートルで自身初の五輪を経験できれば、4年後に与える好影響は計り知れない。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer