監督批判でエース追放、反発した選手はボイコット 内紛劇に揺れた強豪フランスの末路【W杯事件簿】
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。2010年南アフリカ大会では前回ドイツ大会準優勝のフランス代表が“内紛”を起こし、グループリーグで1勝もできないまま敗退。完全に求心力を失っていた監督と一部選手の対立が表面化し、大統領まで介入するという事態に発展した。
W杯で起こった事件を振り返る
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。2010年南アフリカ大会では前回ドイツ大会準優勝のフランス代表が“内紛”を起こし、グループリーグで1勝もできないまま敗退。完全に求心力を失っていた監督と一部選手の対立が表面化し、大統領まで介入するという事態に発展した。
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2006年はジダンの活躍もあって準優勝という結果を残したフランス。そこから続投の形となったレイモン・ドメネク監督だったが、2008年欧州選手権はグループリーグで敗退。このあたりから、行き当たりばったりの戦術や選手選考を繰り返す指揮官と一部選手との関係悪化がささやか、南アW杯欧州予選をプレーオフで何とか勝ち抜いて迎えた本大会でチームは空中分解した。
初戦のウルグアイ戦はスコアレスドロー。0-2で敗れた2戦目のメキシコ戦のハーフタイムではエースFWニコラ・アネルカが指揮官の戦術を批判して交代を命じられた。フランスサッカー連盟はこの事態を重く見て、アネルカをチームから追放して強制送還。この決定に反発した選手たちは練習をボイコットし、ロッカールームの出来事が外部に漏れたことで首脳陣に対する不信感を増大させた。
不協和音が生じたままのチームは3戦目の南アフリカ戦も1-2で敗れ、1分け2敗の最下位で敗退。当時のサルコジ大統領が閣僚に情報収集を命じるなど、国民の一大関心事は政治の舞台にまで影響を与えた。ちなみにドメネク監督は最終戦で敗れた直後、南アフリカのパレイラ監督との握手を拒否するなど、最後までお騒がせだった。
(THE ANSWER編集部)