薄氷突破ポーランド “攻撃放棄”指示もあわやの瞬間に監督「心臓が止まりそうになった」
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は30日、C組ポーランドはアルゼンチンに0-2で敗れたが、辛うじて得失点差で同組2位となり、36年ぶりの決勝トーナメント(T)進出を決めた。一時は別会場で試合を行っていたメキシコと勝ち点、得失点差が並ぶ展開となり、フェアプレーポイント(FPP)で上回っていたことで“攻撃放棄”という事態に。ポーランドのチェスワフ・ミフニェヴィチ監督は想定内だったことを強調しながら「心臓が止まりそうになった」と語っている。
カタールW杯・C組で決勝T進出のポーランド
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は30日、C組ポーランドはアルゼンチンに0-2で敗れたが、辛うじて得失点差で同組2位となり、36年ぶりの決勝トーナメント(T)進出を決めた。一時は別会場で試合を行っていたメキシコと勝ち点、得失点差が並ぶ展開となり、フェアプレーポイント(FPP)で上回っていたことで“攻撃放棄”という事態に。ポーランドのチェスワフ・ミフニェヴィチ監督は想定内だったことを強調しながら「心臓が止まりそうになった」と語っている。
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紙一重での快挙だった。勝てば文句なしで決勝T進出という中、アルゼンチンに2点のリードを許す展開。一転して敗退の恐れも出てきた中、ベンチに入ってきた情報は別会場でメキシコがサウジアラビアに2-0でリードしているというものだった。その時点でアルゼンチンが1位、勝ち点と得失点差でポーランドとメキシコが並んだものの、イエローカードの数によるフェアプレーポイント(FPP)の差でポーランドが2位という状況だった。
そこでポーランドは、2点リードされている中でも“攻撃放棄”を選択。失点を重ねない作戦に出た。もちろん、メキシコがあと1点でも奪えば敗退が近づくギャンブル采配。後半33分にはMFクリホビアクがイエローをもらい、FPPの差は2に縮まった。それでもポーランドは最後まで粘り強く戦い、0-2のまま終了。メキシコが終了間際に失点し、結局は得失点差で上回る結果となったが、ポーランドとしては薄氷の決勝T進出となった。
英紙「インディペンデント」は「チェスワフ・ミフニェヴィチはアルゼンチン戦の中で『心臓が止まりそうになった』瞬間があったことを認める」との見出しで指揮官のコメントを紹介。その中で「私たちはメキシコ戦がどうなっているかを知るのは自分とテクニカルスタッフのみにするということを決めていた。レバンドフスキに時々情報を渡していた」とメキシコ戦の試合展開の共有について話したという。
さらに「クリホビアクがイエローをもらったときは私の心臓は止まりそうになった」「私は選手たちに、不必要なカードをもらうのが避け、挑発行為もやめて、審判に目を付けられるのはやめようと話した」とイエローカードに対して敏感になっていたことも告白。「(結果に)満足している。私たちは一生懸命やった。ルールは最初から明確で、ゴールだけでなく、イエローカードの枚数もカウントされることは分かっていたんだ」とFPPの件も織り込み済みだったという。
くしくも、4年前のロシアW杯で日本がポーランド相手にとった作戦と酷似。ポーランドにとっては、立場を変えてFPP問題と向き合いながらの試合となったようだ。
(THE ANSWER編集部)