妹分の引退入江聖奈へ「幸せになって」 五輪銅の戦友・並木月海、全日本V2後にエール
アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は27日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子ライトフライ級では、東京五輪フライ級銅メダリストの24歳・並木月海(自衛隊)が篠原光(青学大)に5-0の判定勝ちを収め、2年連続2度目の優勝を飾った。
アマチュアボクシング全日本選手権
アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は27日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子ライトフライ級では、東京五輪フライ級銅メダリストの24歳・並木月海(自衛隊)が篠原光(青学大)に5-0の判定勝ちを収め、2年連続2度目の優勝を飾った。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
並木の完勝だった。2戦連続RSC(レフェリーストップコンテスト)で勝ち上がったスタイルとは違い、アウトボクシング中心の展開。小刻みなステップから右フックなどを冷静に叩き込んだ。最終3回も足を使いながらポイントを奪取。引き出しの違いを見せ、フルマークで連覇を掴みとった。
五輪メダリストとして負けられない。試合後は大粒の汗を拭いながら安堵の笑みを浮かべた。
「気持ち的にはここは締めないといけない場所。ホッとしています。足を使って自分の攻撃を入れることを心掛けました」
体重51キロ以下だった東京五輪のフライ級から、2024年パリ五輪で新たに実施される50キロ級に転向。今月上旬のアジア選手権(ヨルダン)で準優勝した。多くの日本代表選手が欠場した中、14日に帰国した並木は強行出場。長丁場を笑顔で振り返った。
「海外から来ているので、疲れがないかというと嘘になる。今できる100%はできました。こういう経験はなかなかできないので、今後のボクシング人生の強みになると思います。減量も終わるのでやっと解放される。ずっとエサみたいなご飯を食べていたので(笑)。何でも食べたいです。とりあえず1週間は休みます」
この日を最後に、東京五輪女子フェザー級金メダルの入江聖奈が引退。入江は今大会、同じ日体大選手を大声で応援し、対戦相手だった並木の試合でもリングサイドで声を張り上げた。並木は「正直、うるさいなと(笑)」と思っていたところ、突如自分を応援してくれる瞬間もあり、「ありがたいと思えた」と感謝した。
2学年下の入江は大学院に進み、大好きなカエルの研究に励む。ともに長く日本代表だった並木は、戦友へエールを送った。
「ずーっと一緒にやってきた。私が高校3年の時に対戦もした。ずっと一緒にやってきたので寂しさもあります。人間としても本当に優しい子。いつでも応援してくれるし、そういう優しさがある。聖奈には聖奈の道があるので自分の道を歩んでほしいですね。今後幸せになってほしいなって(笑)。妹みたいな感じなので。自分の輝ける場所で輝いてほしい」
今大会の優勝者とアジア選手権出場者が、五輪予選を兼ねる来年9月の杭州アジア大会への代表決定戦(2月)に進む。並木は自身の戦いへ、「世界選手権もあるので今の自分の立ち位置を確認すべき」と気を引き締めた。
(THE ANSWER編集部)