樋口久子 三菱電機レディス最終日

　女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス最終日が30日に埼玉・武蔵丘GC（6650ヤード、パー72）で行われた。2位に3打差の首位で出た33歳・金田久美子（スタンレー電気）が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算9アンダーで逃げ切りV。2011月5月のフジサンケイレディス以来11年189日ぶり、1988年のツアー施行後の最長ブランク優勝で、待望の通算2勝目を飾った。その姿に、大会名誉会長で日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の樋口久子顧問も涙を流した。金田も「中学時代からよく樋口さんに叱られていました」と言い、「まさか、樋口さんの大会で勝てるなんて」と感激の言葉を並べた。

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　金田がアテストに向かうと、樋口さんが大粒の涙を流して迎えた。

「樋口さんを見て、また泣きました。私、中学の時から樋口さんから怒られていたので。いや、温かいお叱りの言葉を受けていました」

　かつて「天才少女」と呼ばれた金田は、中1だった02年、リゾートトラストレディスで12歳9か月で最年少予選通過記録を樹立した。中3だった04年、ゴルフ5レディスでは優勝争いを演じて3位に入った。

「本気で勝てると思ってやっていました」

　樋口さんに怒られていたのは、まさにその当時だった。理由は「化粧の濃さ」だった。

「『あなた、目の周り真っ黒よ』って怒られて、『あっ、そうだな』と思って、その時は直していました。あと、髪の毛のこととかでも怒られました（笑）」

　そんなことを繰り返しながらも、樋口さんに可愛がられ、樋口さんの長女とも友人になった。そして、長い月日を越えて、樋口さんの冠大会で「復活優勝」を遂げた。

「あんなに怒られてきた自分が勝てて、変な気持ちです。でも、うれしいです」

　日本ゴルフ界のレジェンドと33歳ギャルファーの特別な関係。金田は大きな思い入れを抱き、来年もこの大会に出場する。