エンゼルスのフィル・ネビン監督代行が10試合の出場停止明けから復帰

　米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は9日（日本時間10日）、敵地オリオールズ戦に「3番・DH」で先発し、3打数無安打1四球に終わった。チームも0-1で敗れて見せ場は作れなかったが、試合前に感動的なシーンが見られた。米メディアは動画を公開。米実況も「スペシャルな瞬間だ」と伝えると、ファンから「見ていて気分が良い」と反響が集まった。

　この日はエンゼルスのフィル・ネビン監督代行が10試合の出場停止明けの初戦。試合前のメンバー交換のために姿を見せたネビン監督代行を待ち受けたのは、息子であるオリオールズのタイラー・ネビン内野手だった。審判団の前でメンバー表を交換すると、握手の後にお互い笑みを浮かべながら熱い抱擁。その後、記念撮影も行った。

　この様子の動画を米ロサンゼルスの地元放送局「バリー・スポーツ・ウェスト」の公式ツイッターが公開。実況を務めたマット・バスガージアン氏は「本当にスペシャルな瞬間だ」。また、メリーランド州地元紙「ボルティモア・サン」のアンディ・コストカ記者は「タイラー・ネビンは父親であるエンゼルスの監督（代行）とラインナップ表を交換した」とツイートし、タイラー内野手の談話も紹介した。

「普段どんな会話をあそこでしているのか分からなかったが、『今日オオタニはDHで出場するんだろ？』と言ったよ。私たち家族がここまで来たんだと実感したクレイジーな瞬間だったよ」

　メンバー交換は主に監督同士で行われるが、MLBでは時折監督以外の人物が出てくることもあり、今回もオリオールズ側が“粋な計らい”を見せた格好。ファンからも「こういうのは野球を良くする。見ていて気分が良いよ」「ワオ」といったコメントが寄せられている。

　感動シーンから始まった“親子対決”で息子タイラーは「9番・三塁」で先発出場し、2打数1安打1四球の活躍。試合もオリオールズが勝って息子に軍配は上がった。