東京五輪・銅の渡辺勇大、プロ転向の理由 バドミントンの「価値を上げる」3つの挑戦
コロナ禍で危機意識「バドミントンを止めちゃいけない」
日本バドミントン界は、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)や男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が昨冬の世界選手権で優勝するなど、選手が国際大会で好成績を挙げている一方、日本バドミントン協会で元職員による横領や公金の不正申請が明らかになるなど、残念なニュースに揺れている。また、国内ではコロナ禍で多くの大会が中止となるだけでなく、依然として無観客開催が続いており、日本のファンは2年以上もトップ選手のプレーを観戦する機会を奪われたままだ。
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安全面の考慮から仕方のない部分はあるにせよ、競技の普及やアピールを考えれば、危機的な状況にある。渡辺は、4月のイベント開催について「ファンの方々にプレーをお見せできないまま引退、移籍する選手が出ている。バドミントンを止めちゃいけない。そういう強い思いがある」と語気を強めた。
バドミントンは、東京五輪でメダル量産が期待され、競技に対する注目度が高まっていたが、渡辺/東野の銅メダル1つという結果に終わり、大きな競技アピールのチャンスを逸した感が否めない。今後の競技普及を促進するため、どのように話題を作り、注目を集めていくか重要な局面を迎えている。渡辺がプロになって目指す活動は、後進や日本のファンに、新しい刺激や希望を与える可能性を秘めており、注目される。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)