奥原希望、貫録の全日本V3に見えたプライド 五輪再挑戦へ「来年スタートラインに」
第75回全日本バドミントン選手権大会が30日に最終日を迎え、女子シングルスは奥原希望(太陽ホールディングス)が2-0(21-11、21-11)で水井ひらり(NTT東日本)を破って3連覇を飾った。
女子シングルス決勝で水井を破り3連覇、期待の若手に課題を突きつける
第75回全日本バドミントン選手権大会が30日に最終日を迎え、女子シングルスは奥原希望(太陽ホールディングス)が2-0(21-11、21-11)で水井ひらり(NTT東日本)を破って3連覇を飾った。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
水井は社会人3年目の元高校女王。東京五輪ベスト8で世界のトップを争っている奥原も「前回対戦した時に、これから未来を背負う選手だなと感じていた」と認める期待の若手だ。しかし、奥原は、試合のペースを渡さなかった。「水井選手のクロス球はキレがある。丁寧にゲームメイクをして、試合の流れの中で相手が乗りそうだなというタイミングでこちらが点を取ることを意識した」と話した奥原の球出しに、水井が振り回された。
狙いどころを絞れず足を止められた水井に対し、奥原のフェイントショットが次々に決まった。容赦なく相手の長所を封じるプレーに、この大会に出た意味が込められていた。試合後、奥原は「水井選手は、自分の流れにしたいけど、乗り切れないまま終わった。流れに持っていけるまでの我慢を覚えてほしい」と期待の若手に課題を突きつけた。
全日本総合選手権は国内最高峰の大会だが、今年は少し様子が異なる。19日までスペインで行われた世界選手権に出場した日本代表が、新型コロナウイルスのオミクロン株出現による帰国者隔離期間延長の影響を受けて出場が不可能になったからだ。代表選手不在の中、タイトル奪取の好機を得た若手の躍進が注目された。だからこそ、奥原は優勝インタビューで観客に「今回の参加選手は、パリ五輪以降に活躍する選手たちだと信じている。若い選手への注目もよろしくお願いします」と呼びかけたが、コート上では若手の壁となって立ちはだかった。
「新星が出てきていないとみんなが思っている。脅かされずにホッとする気持ちもなくはないけど、私もいずれ引退する時が来る。後は頼むよと任せられる選手がいたら、日本のバドミントン界は明るい。今は(候補が)数人いるけど、ハッキリしていない。このチャンスをものにできなかった悔しさを噛み砕いて、感じてほしい」