PGだからこそ生きる“リバウンド力” 三河コリンズワースが語る自らの異能とは
最も嬉しい二桁はリバウンド「セカンドチャンスポイントにもつながる」
広島はグレゴリー・エチェニケという208センチ・120キロの強力なセンタープレーヤーがいる。しかし三河は彼を自由にさせず、2人目、3人目がスムーズにリバウンドを取っていた。
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そのエチェニケは試合後にこう語っていた。
「相手はビッグマンだけでなく、PGも含めて全員がオフェンスリバウンドに飛び込んで来る。特にコリンズワースはPGだけど大きいので、かなり取られた」
リバウンドはフィジカルな競り合いで、身体的に消耗するプレーだ。ハードワークを涼しい顔で遂行しつつ、パスで味方にいいシュートをプレゼントする――。言葉にすると簡単だが、これほどの献身性を発揮できるPGはBリーグの中でもコリンズワースの他にいない。
彼がコートに入れば守備ではポイントガードからパワーフォワードまで、ミスマッチを作らず対応できる。何よりリバウンドへの執念が図抜けている。
以前の取材では、こんなことを口にしていた。
「練習から味方を常に観察しています。シュートを打つ時、シュートをどう落とす傾向があるかを研究していて、それも(リバウンドの獲得力が高い)一つのポイントです」
そして自身のプレーについて、こう強調する。
「リバウンドを取れば、自分がプッシュして、そこから(すぐ)オフェンスに入れる。そこがPGとして自分の強みだと思います」
起点となる選手が自分でリバウンドを取れば、コンマ何秒ではあっても、攻撃を素早くスタートできる。守備が揃う前にロングパスを飛ばす、高速ドライブでゴールまで一気に運ぶというアグレッシブなプレーが出やすい。
得点、アシスト、リバウンドの“トリプル”の中で、どの二桁が一番嬉しいか? 11日の広島戦後にそう問われたコリンズワースは、次のように答えていた。
「チームメイトがシュートを決められるようにパスをしている証拠なので、アシストは嬉しいです。でもやっぱり自分が一番嬉しいのはリバウンドです。取れると自分からボールをプッシュできるし、セカンドチャンスポイントにもつながる。それが自分にとって一番大事なことだと思います」
チームの変化についてはこう述べる。
「今年のチームは若くて、そのおかげで、トランジションで走れる。自分は元々そういうプレースタイルが好きです」
「リバウンド×パス」「リバウンド×ドリブル」の掛け合わせで、コリンズワースの強みはより引き出される。今年の三河が“堅守速攻”のスタイルになったことで、その価値はより強調されている。
(大島 和人 / Kazuto Oshima)