「悔しさを経験してほしい」 野村忠宏さんが高校生に贈った言葉の真意とは
「悔しさで自分が変われる人間こそが本当に強くなれる」
「寂しい気持ちもあるし、清々しい気持ちでもあります」
柔道を愛し、柔道に愛された伝説の男。柔道界の小さな巨人といわれた野村忠宏さんは、2015年の引退会見でこう話し、柔道人生に幕を下ろした。
そんな柔道の世界で経験してきたこと、乗り越えてきたものを生徒達に伝えたいという野村さん。「私の人生だから同じように生きろとは言いませんが、これからみなさんがもっともっと勉強もしてスポーツもして、人として成長していく中で何かひとつでもプラスのことを感じてもらえるとすごく嬉しい」と話した。
さらに、野村さんは夢や目標を持つこと、そこに向かってチャレンジすることが非常に大事だと話したが、それと同じくらい経験してほしいことがあるという。
「これから皆さんには、悔しさというものをどんどん経験してほしいと思う。なぜなら、本当に強くなれる人間、本当に大きくなれる人間というのは、悔しさを知っている。悔しさを感じてバネにできる。その悔しさで自分が変われる人間こそが本当に強くなれる」
「悔しさ」を経験してからの自身の考え方、取り組み方次第で成長の度合いが大きく変わることを熱く生徒たちに伝えた。
講演後には、柔道部員に対してオリジナルでメニューを考えた特別レッスンを行った。野村さんは、弱かった自分が努力を重ねたことで金メダルを獲得できたという経験をもとに、実際に技をかけながら釣り手、そして代名詞でもある背負い投げなどの技術を惜しみなく披露。約1時間半の指導を行った。