右肘手術回避で見事復活 NYメディアも認めた田中将大のメジャー3年目
シーズン中に米メディアの論調も変化、「タナカは頼れるエースに」「認める時がきた」
力投を見せる右腕に米メディアの論調も徐々に変化。シーズン終盤にはサイ・ヤング賞候補にも名前が挙がり始め、14勝目を記録した直後には、ついに地元紙「デイリーニューズ」電子版が2年前に靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を回避したことを「正解だった」と報道。「みんな、もう認める時がきた。田中とヤンキースは正しい選択をしたのだ、と」と“手のひら返し”でレポートした。
連勝が続く中で米スポーツ専門局「ESPN」のダニー・ノブラー記者が「タナカは頼れるエースというべき存在になった」と評し、「ニューヨーク・ポスト」紙も周囲の懐疑的な見方に対して「この日本人スターはハッキリとしたイエスで答えた」とレポート。シーズンを終えた直後には「デイリー・ニュース」紙が「今季、マサヒロ・タナカはヤンキースとともに進歩した」と高評価を与えた。右腕が自らの投球で周囲の見方を覆した瞬間だった。
田中自身、シーズンを終えた直後のブログで「メジャー3年目。過去2年に比べればステップアップができたと思います」と手応えをつづった。チームが最終的にプレーオフ進出を逃したこと、自身も最後の2試合に登板できなかったことは反省しつつも、規定投球回に届いたことは大きな自信になった様子だ。
この投球を来季以降も続けていけば、今季成し遂げられなかった200投球回と防御率タイトルはいつか達成することができるはず。田中のメジャー3年目は28歳で迎える来季へ大きな期待を抱かせる結果となった。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images