男気の25秒― 世界3位名手の“ネット越え神救助”に称賛の嵐「一流の振る舞いだ」
テニスの男子ツアー今季開幕戦・ブリスベン国際で試合中に選手が負傷し、コートに倒れた瞬間、相手選手がネットを飛び越え、誰よりも早く駆けつけ、ベンチまで肩を貸して助けるというシーンが発生。一流のスポーツマンシップに溢れる行動の一部始終を大会公式ツイッターが動画付きで紹介すると、海外から「スポーツマンシップの終着点」「一流とはどうあるべきかを見せられた」と感動を呼んでいる。
ディミトロフが試合中に負傷の相手を真っ先に介抱で海外話題「スポーツマンシップの終着点」
テニスの男子ツアー今季開幕戦・ブリスベン国際で試合中に選手が負傷し、コートに倒れた瞬間、相手選手がネットを飛び越え、誰よりも早く駆けつけ、ベンチまで肩を貸して助けるというシーンが発生。一流のスポーツマンシップに溢れる行動の一部始終を大会公式ツイッターが動画付きで紹介すると、海外から「スポーツマンシップの終着点」「一流とはどうあるべきかを見せられた」と感動を呼んでいる。
咄嗟の行動で世界に感動を呼んだのは、世界ランク3位のグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)だ。
5日の準々決勝・カイル・エドモンド戦。1-1で迎えた最終セット、4-4と接戦を演じていた第9ゲームの最中だった。ベースライン付近でエドモンドが声を上げ、突然、コートに倒れ込んだ。ラケットを手放し、両手で右足付近を押さえ、うずくまった。故障か――。会場の誰もが息をのんだ次の瞬間だった。
真っ先に動いたのは、対戦相手であるはずのディミトロフだった。血相を変え、ネット方向に猛ダッシュ。そして、ラケットを手にしたまま豪快にネットを飛び越え、全速力で倒れ込んだエドモンドのもとへ関係者より早く駆けつけた。すると、心配そうに二言、三言声をかけ、苦悶の表情のエドモンドが起き上がろうという素振りを見せると、両手で引っ張り上げたのだ。
ディミトロフの行動とエドモンドの闘志に会場は一躍、拍手喝さいに包まれた。それでも、ディミトロフの行動は終わらない。自分と相手のラケットを拾い上げると、エドモンドに肩を貸し、腕を支えたままベンチまで寄り添ったのだ。およそ15メートルの距離を25秒かけてゆっくりと。その間、会場の拍手が鳴りやむことはなかった。