卓球女子、「最も残酷な幕切れ」からの銅 15歳伊藤は「ライジングスター」
準決勝の敗戦は「最も残酷な幕切れ」、福原「死ぬ気で勝ちにいった」
一方、その直前の準決勝でドイツに敗れた際には、米メディアが第5試合の福原の敗戦を「最も残酷な幕切れ」と伝えていた。
2-2で迎えた第5試合のシングルス。ハン・インと戦った福原は最終ゲーム9-10で迎えたマッチポイントで、相手のショットがエッジに当たる不運に見舞われ、敗れた。この場面を米「FOXスポーツ」電子版は「狂気が起きた」と紹介。「卓球の世界ではエッジやネットに引っかかった幸運な得点を手にした選手は相手に謝罪することが通例となっている。しかし、衝撃的な一大決戦の終焉を償うような謝罪はなかった。福原は審判員にショットの抗議をしていた。台の横に当たったと主張していたが、それは受け入れられなかった」と報じていた。
その悔しい敗戦から気持ちを切り替えて、見事、銅メダルを獲得した日本。15歳の伊藤は偉大な2人の先輩と勝ち取った栄冠に「絶対にメダルを獲るという目標を立てていたので、チームを組めて光栄ですし、3人で獲れてすごくうれしいです」と充実した表情を浮かべ、福原は「おとといも負けてしまって、何度も何度も思い出しては後悔してという、昨日と今日だったんですけど、絶対に……死ぬ気で勝ちにいきました」と涙ながらに語った。苦しみ抜いた末のメダルだからこそ、訪れた歓喜も大きかった。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images