【名珍場面2017】こんな長い隠し球見たことない!? “40秒の名演技”に米騒然「最も忍耐強い隠し球」
投手方向を見て、足場をならし、迫真の演技で…最後は猛然ダッシュ
すると、エルツェッグは2~3歩離れ、投手方向に視線を向けた。足場をならすなど迫真の演技を繰り返し、チャンスを待った。そして、いよいよ走者がベースから足を離した瞬間だった。獲物を捕らえるかのように、猛然と走り出した。異変に気付いた走者は慌ててベースに戻ったが、タッチが間一髪早かった。
走者が茫然とする中、グラブを高々と掲げてアウトをアピール。見事にトリックプレーを成立させた。リーグ公式ツイッターも長々とした隠し球の一部始終を動画付きで紹介。映像を見ると、最初に送球を受けてから、タッチをするまで実に40秒。通常ならもう少しスムーズに成立しそうなものだが、なんとも忍耐強い名演技によって、隠し球は生まれた。
米スポーツ専門局「FOXスポーツ」は「ブルワーズのマイナー選手による、最も忍耐強い隠し球」と見出しを打って特集。記事では「ルーカス・エルツェッグは非常に忍耐強い人間に違いない。木曜日の試合でそれを明らかにした。彼は我々が見てきた中で最も長々と時間のかかったトリックプレーをやってのけた」と説明している。
このプレーはマイナーリーグの公式ツイッターでも公開されるなど一躍、注目の的に。隠し球という戦略には賛否あるかもしれないが、それを遂行するために“40秒の名演技”をやり抜いた執念は称賛されてもいいだろう。エルツェッグは今季のマイナーリーグで屈指の“主演男優”となった。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer